研修や会議を楽しくて、有意義なものに変えてくれるアイスブレイク。
今回ご紹介するのは、私が以前の職場(米軍基地)で体験した、ほとんど準備のいらないアイスブレイクです。円滑なコミュニケーションやコラボレーションといったティームビルディングスキルを養うのに最適なツールです。
バースデーライン
手順:
- 参加者は席を立つ。
- 誕生日順に横一列に並ぶ。(左端から1月、2月、最後の右端が12月になるように並ぶ。)
- 答え合わせをする。
ルール:
- しゃべるのと筆談は禁止。
- ジェスチャーはOK。
- 同じ誕生日の人がいた場合は、どちらが左側でもOK。
アレンジ:
- 誕生日の代わりに、フルネーム順に並ぶ。
- 誕生年の干支ごとにグループを作る。(年がばれるのが嫌な人がいるときはやらないほうが無難だが、十二支の特徴が書かれたプリントなどを渡すと、場が盛り上がる。)
- 参加者の人数が多い時は2グループに分けて、どちらのチームが早く整列できるか競う。
感想:
- 内気な人でも話さなくていいので、とっかかりやすい。
- 同じ誕生日やクリスマス・七夕・バレンタインデーなどイベントのある日に生まれた人がいると、そこから笑顔と会話が生まれる。
意外な過去
手順:
- 参加者を5-10人のグループに分ける。
- グループ内で、珍しい体験やビックリするような過去の出来事を、1人1つずつ紹介する。
- 例:ブラッド・ピットと握手したことがある。
- 一番意外な話をグループで1つ選ぶ。
- 各グループの代表者1名が、全体にその話を紹介し、グループ内の誰の話か当てさせる。
ルール:
- グループで話をする時間は「人数 x 1分 + 2分(相談の時間)」。
アレンジ:
- (特に参加者がある程度お互いのことを知っている場合)珍しい体験やビックリするような過去の出来事を1つ話す代わりに、
- グループ内で「2つのウソと1つの真実」を語り、そのうちのどれが真実か当てさせる。
- 家族や趣味など参加者自身についての意外な話をする。
- 過去の話の代わりに「バケットリスト(死ぬまでのやりたいこと)」のうち、一番意外なものについて話す。
感想:
- 「えっ、あの人が…」という話に、これまでとは違った視点で他者を見るようになる。(人は見かけによらない。)→自分の思い込みを反省することも。
アルファベット
手順:
- 参加者を6-8人のグループに分ける。
- 主催者の合図で、各グループ、aからzまでアルファベットを順番に言っていく。
- 早くzまで言えたチームの勝ち。
ルール:
- 制限時間は5分。
- アクティビティの間は、全員目をつむらなければならない。
- 1人1回。必ず発言(アルファベットを言う)しなければいけない。
- ほぼ同時に複数の人がアルファベットを言った時には、aからやり直し。
- 並び順(席順)でアルファベットを言ってはいけない。
アレンジ:
- アルファベットの代わりに、1から10までの数字を言う。
感想:
- 簡単なようで意外と最後までいかない。
謎解きゲーム
手順:
- 参加者を4-6人程度のグループに分ける。
- グループでなぞなぞを解く。
なぞなぞのサンプル:
- 「オオカミとニワトリと穀物の袋」
- 「ある農夫がオオカミ・ニワトリ・穀物の入った袋とともに旅をしていました。目的地にたどり着くには、途中橋のない川を1台のボートで渡らなければなりません。けれどそのボートには農夫と他にもう1つのものしか載せられないので、川岸を何往復かすることになります。もちろん、オオカミとニワトリを一緒に残したり、ニワトリと穀物入りの袋を一緒に残しておくことはできません。どうすれば全部を安全に川の向こうに送ることができるでしょうか?」
答え:
1.まずニワトリを連れて川を渡ります。
2.次にオオカミを連れて行き、ニワトリを連れて戻ります。
3.元の場所にニワトリを下ろしたら、今度は穀物の袋を向こう岸に運びます。
4.最後にニワトリを迎えに行って、向こう岸に運びます。
- 「ある農夫がオオカミ・ニワトリ・穀物の入った袋とともに旅をしていました。目的地にたどり着くには、途中橋のない川を1台のボートで渡らなければなりません。けれどそのボートには農夫と他にもう1つのものしか載せられないので、川岸を何往復かすることになります。もちろん、オオカミとニワトリを一緒に残したり、ニワトリと穀物入りの袋を一緒に残しておくことはできません。どうすれば全部を安全に川の向こうに送ることができるでしょうか?」
感想:
- 良くも悪くも、メンバーの個性(性格や能力など)が明らかになる。
- 一緒に正解にたどり着いた時の達成感で、一気に仲間意識が高まる。
キャンディをどうぞ!
用意するもの:
- 数種類の飴
手順:
- グループテーブルの上にあらかじめ飴(個別包装のもの)を入れたかごなどを置いておく。
- 参加者を席につかせる。
- 「テーブルに飴を用意しておきました。作業の邪魔になるといけないので、2分後にはかごを片付けます。なので、今、好きなものを好きなだけ取ってください」と、参加者に飴を取るように言う。
- かごを片付ける。
- それぞれの飴に紐づけされている「お題」を発表する。
- 梅キャンディ:「すっぱい(失敗)談」
- キャラメル:甘くほろ苦い「初恋の思い出」など
- グループ内で、1人1つずつ話をしていく。
ルール:
- 飴は人数 x 3-4個は用意する。
- 1つの話に1-2分。
- とった飴の数だけ話をする。(人によって話をする回数が違う。)
- 必ずお題に沿った話をしなければならない。
- 飴を取らなかった人がいた場合、主催者の独断でお題を1つ選び、話をしてもらう。
- 「ここで食べなくても、同じオフィスの人やお子さんに持って帰るのもOK」と、全員が飴を取るようにしむける。
アレンジ:
- 数種類の飴の代わりに、様々な個別包装のお菓子を用意する。
- (時間にあまり余裕がない場合)ミーティングの部屋の入口(または受付)で、飴の代わりに好きな色の短冊(色紙を細長く切ったものでOK)を1人1枚とってもらう。ーこの短冊は、自分の目標を書くなど、あとで別のアクティビティに使える。
感想:
- ちょっとしたスナックを取り入れたアイスブレイクは、どんなものでも緊張感をほぐすのに効果的。
マシュマロチャレンジ
“Save the best for last.”
最後は私のいちばんのお勧めです。
マシュマロチャレンジは、おそらくアメリカでもっとも人気のあるアイスブレイクの1つではないでしょうか。(「Mashomallow Challenge」というウエブサイトまであるくらいです。)
用意するもの:
- スパゲティ(乾麺)20本
- マスキングテープ:約1メートル
- ひも:約1メートル
- マシュマロ:1個
- テープやひもを切るためのハサミ:1本
手順:
- 参加者を少人数のグループに分ける。
- 各グループで、用意された材料を使って、マシュマロをてっぺんに載せた構造物を作る。
- 一番高い構造物を作ったチームの勝ち。
ルール:
- 制限時間は18分(または20分)。制限時間の終了とともに構造物から手を離す。
- マシュマロを小さくちぎって使うのはダメ。
- スパゲティを折るのはOK。
- スパゲティ・紐・マスキングテープは全部使わなくてもよい。
- 構造物は自立できないといけない。(土台に貼り付けるのはダメ。)
感想:
- 手順は簡単なのに、かなり難しいアクティビティ。最後に思わぬどんでん返しがあるかも。
なお、Ted Talkに、このアクティビティとチームビルディングに関する研究について語ったものがあります。
最後に
今回ご紹介したアイスブレイクは、どれも簡単に実践できます。
一見すると、楽しく遊んでいるだけのように見えるかもしれませんが、実は参加者同士を深く結びつけ、協調性やコミュニケーション能力、リーダーシップスキルなくしては、成し遂げられないアクティビティばかりです。
「退屈」「緊張」「無駄」などと思われがちな研修や会議ですが、アイスブレイクを導入して、ぜひティームビルディングにお役立てください。
\このブログがお役に立ったなら/
年齢も性別も国籍も種族(?)も超えた人たちが集まって、互いに学びあい、喜びや楽しみを分かち合えるコミュニティサロンの設立・運営にご協力をお願いします。