教育の実践的手法Think Aloudの利用法 | まなまなライフ
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教育の実践的手法Think Aloudとは?|教育現場での利用法と他分野での利用例

教育の実践的手法Think aloud

今日は教育の実践的手法の1つThink Aloudについて紹介します。難問にぶつかったとき、自分の考えを効率的に整理して周りの人に伝えたり、考え方の問題点を把握するのに役立つ手法です。

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教育分野でのThink Aloud

Think Aloudはアメリカの教育現場でよく見かける手法です。日本語では「思考発話法」または「発話思考法」と訳されているようですが、国内ではその日本語訳すら聞いたことがないという先生がほとんどではないでしょうか。

教育的ツールとしてのThink Aloud

Think Aloud (Strategy)というのは、アクティブ・ラーニング(生徒参加型・生徒主体型学習)の手法の1つで、「自分の考えていることを話しながら問題解決に取り組む」学習・指導法です。

この方法のいいところは、形のはっきりしない考えを可視化できることで、どこからどう考えていけばいいのか(プロセス)やどういうふうに考えれば結論にたどり着けるのか(論理的展開)が、自分にも他人にもわかりやすくなる点です。

 

「なんだか曖昧過ぎてよくわからないし、授業ではどう使えばいいの?」

教室での利用例

例えば、算数の2桁以上の掛け算の授業で「この学校には全部でおよそ何足の靴がありますか」という問題を出したと仮定します。ここで、どういう形で問題を解いていくか指示をしないと、子供たちは算数が得意な子もそうでない子も別々に考え、その考え方があっていようと間違っていようと、それぞれに答えを発表して終わりになるでしょう。

しかし、今学校に求められているのは、分析力や問題解決能力といった21世紀型のスキル(能力)の育成です。そのためにはThink Aloudのような手法を導入して、学習形態を生徒主体の協働学習に切り替える必要があります。

ただ、Think Aloudを導入するといっても、単に「自分たちの考えを口に出して言ってください」と指示するだけでは子供たちに通じません。そこで、まず教師自身が、この手法を実践して見せます。

ー 学校にある靴の数なんて、簡単にわかるじゃん。生徒と先生や事務の人の数を足せばいいんだよ。

ー 1学年3クラスで、1クラスにだいたい30人、それが6学年あるから、3x30で90、90x6で540が生徒の靴の数。大人は、担任の先生が3x6で18人、それに校長先生や保健室の先生、事務の人なんかを足して25人。540+25で、答えは565足。できた!(と手を上げかけて引っ込める。)

ー あぶない、あぶない、もうちょっとで引っかかるところだった。上履きと下履きがあるじゃん、あと体育館シューズも。ってことは、565x3で1695。

ー あ、事務の人は体育館シューズいらないか。校長先生とかも持ってないかも。だとすると、だいたい1690くらいかな。ふふ、今度こそ完璧!

という具合に、どうやって計算したか、なぜそんなふうに計算したかといった、思考の過程を示します。その後、

「これで、どんなふうに考えていけば答えにたどり着けるか分かったかな?じゃあ、次は、となりの人とふたりで、考えてることを全部口に出して伝えながら、問題を解いてみましょう。『この学校に本はおよそ何冊あるでしょうか』」

と、子供たちを実践に導きます。

以上、小学校の算数の授業を例にThink Aloudの使い方を説明してきましたが、この学習・指導法は、もともと難しい文章の内容理解を助けるツールとして生まれました。ですから算数や数学に限らず、どの教科でも、年齢層の子どもたちにも利用が可能です。

いい教師になるには演技力が必要です。一直線に答えにたどり着くのではなく、わざと間違ったりしながら、子供たちにThink Aloudのやり方を伝授しましょう。

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教育分野以外でのThink Aloud

調べてみると、日本では調査・分析の分野における「発話思考法」「思考発話法」の利用が多いようです。

あるIT関連企業では、ユーザビリティテストを行う際、ユーザーが提示された課題に取り組んでいる間中、考えていること、感じたことを話すという形で、思考発話法を利用していました。これにより、企業側はどこに問題があるのか、なぜその問題が起きるのかを詳細に把握することができます。

また、学術研究の世界でも「発話思考法による大学生の読解過程に関する調査」「幼児二人同乗用自転車における思考発話法による交通安全効果に関する研究」「食品購買における消費者の情報処理プロセスの特質 認知的概念モデルと発話思考プロトコル分析」と様々な分野で、発話思考法・思考発話法が調査・分析の手法として用いられています。

まとめ

一般にはまだまだ認知度の低いThink Aloudですが、日常生活を含むあらゆる場面に応用が可能なツールです。

教師に限らず、仕事の効率を上げるため、自己開発のためにThink Aloudを実践してみませんか。

1人でぶつぶつ言ってると、危ない人だと思われるかもしれないんで、ぜひチームの仲間と一緒に試してみてね。

参考資料:

  • 金山泰子, & 藤本恭子. (2019). 継承日本語話者 (である大学生の読解プロセスに関する調査―発話思考法を用いたパイロットスタディー―. ICU 日本語教育研究15, 37-55.
  • 松村暢彦, 毛利彩希, & 吉田長裕. (2021). 幼児二人同乗用自転車における思考発話法による交通安全効果に関する研究. 交通工学論文集7(2), A_94-A_101.
  • 新山陽子, 西川朗, & 三輪さち子. (2007). 食品購買における消費者の情報処理プロセスの特質 認知的概念モデルと発話思考プロトコル分析. フードシステム研究14(1), 15-33.
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