北米(アメリカ・カナダ)に住むユーチューバーが作ったアウトドア系の動画やアメリカで放映されているリアリティショーを見ていると、特に難しい言葉でもないのに、一瞬「?」となってしまう単語やフレーズに出くわします。
いわゆるスラングと言われるもので、映像から「こんな意味じゃないかな?」と推測はできるものの、ある程度英語ができる人でも知らないとまず使わない表現ばかりです。
今回は、
- スラングとは
- アウトドア系のYouTube動画とリアリティショーで耳にしたアメリカ・カナダ英語のスラング
について、例文付きで紹介します。
使いこなせると、かなりCool(イケてる)で、間違いなく英語ができる人だと思われますよ。
スラングとは?
スラング(slang)の意味を辞書で見ると、たいてい「俗語・卑語」のように書かれています。
確かに、中には下品な言葉も含まれていますが、アメリカ人とかれこれ30年以上も付き合ってきた私なりの解釈では、
スラング
- 友だちや家族のような親しい間柄の人たちの間で使われる砕けた表現
- カジュアルな場面で使われる表現(フォーマルな場面で使うのは不適切)
- 流行語、若者言葉。時代や流行によって新たに生まれた、意味が変化した表現
となります。
スラングをうまく使いこなせると、英会話がよりナチュラルに聞こえるため、相手に「英語ができる人」だと思われます。
ただし、意味だけ理解して微妙なニュアンスを理解していなかったり、使う場面や相手を間違うと、逆にCringy(イタイ)人だと思われるので要注意です。
アメリカ・カナダ英語のスラング
今回紹介するのは、主にアメリカ人・カナダ人YouTuberがここ10年の間に投稿したアウトドア系のYouTube動画かアメリカのリアリティショーで耳にしたアメリカン・カナディアンスラングです。基本的には
- 熟語よりも1語で意味を成すものが多め
- 学校で習ったのとは違う意味で使われている(知っている単語に別の意味があった!)
- 教科書ではまず見かけない
スラングを集めてみました。
人や物に関する言葉
bomb
最高な人・イケてる人
You are the bomb!「あなたって最高!」
大失敗という意味もあるので、言い方や使う場面に注意。
buck(s)
ドル
5 dollars = 5 bucks
fam
familyの短縮語: 家族
gear
服装・装備
I got my fishing gear.「釣り用の服を持ってきた。」
merch
merchandiseの短縮形:商品・グッズ
Would you start selling merch?「グッズの販売を始めてくれない?」
game changer
状況や流れを大きく変えるもの
YouTube was a true game changer.「YouTubeはまさに革新的だった。」
ビジネスやスポーツシーンでも使われる。
goof
間抜け
He is a goof.「アイツは間抜けだ。」
へまをする・ミスをする
I goofed!「やっちまった。」
rock
イケてる・最高
You rock!「あなたって最高!」
stinker
困りもの・ろくでなし
That’s a stinker. = That stinks.「最悪。」
wuss
弱虫・いくじなし・腕っぷしが弱い人
What a wuss! 「なんてヘタレなんだ!」
気持ちや状態・程度を表す言葉
awesome
すごい・最高
That’s awesome!「すごい!」
beat
へとへと・疲労困憊
I’m beat. 「もうへとへと。」
beauty
素晴らしい・強み・いいところ
That’s the beauty of these tools. 「それがこういった道具のいいところだ。」
big time
大いに
I owe you big time.「恩に着ます。」「本当に助かりました。」
blast
盛り上がり・最高
It was a blast.「最高だった。」
bummed/bummer
がっかりした
I’ bummed out. 「すっかりヘコんだ。」
残念
What a bummer!「がっかり!」「残念!」
cakewalk
朝飯前・楽勝
Starting a fire was a cakewalk.「火をおこすなんて楽勝だったよ。」
a piece of cakeと同じ意味。使い方。
chill
穏やか・リラックスした・かっこいい
She is so chill.「彼女は本当に穏やかね。」
落ち着く・まったりする・リラックスする
Chill out!「 落ち着いて!」
chore
ひと苦労・面倒
It’s such a chore to secure drinking water off-grid.「オフグリッドでは飲み水を確保するんが、ホントひと苦労なんだよね。」
comfy
comfortableの短縮語:快適な・くつろいだ・楽ちん
This little cabin is so comfy.「このちっちゃなキャビンはホント快適だね。」
crazy
最高・ヤバい・ありえない
That’s crazy.「うそでしょ。」
ポジティブなニュアンスで使われることが多いが、ネガティブなニュアンスで使われることもある。
dead
おもしろすぎ・ヤバい・くたくた
I’m dead. 「マジうける。」「くたくた。」
完全に正しい・的を得ている
That’s dead on! 「ドンピシャ!」「その通り!」
epic
素晴らしい・最高・ヤバい
Our trip to Canada was pretty epic.「カナダへの旅は最高だった。」
fried
へとへと・くたくた
I’m fried. 「へとへとだ。」
get me (good)
騙された・驚かされた
You got me good.「やられたわ。」
gross
キモイ・不快
That’s gross.「それ、キモイ。」
grumpy
機嫌が悪い・むっつりした・イライラした
He is grumpy without his morning coffee.「朝のコーヒーがないと、彼ってご機嫌斜めなの。」
hairy
危ない・難しい
That was a hairy situation. 「あれは厄介な状況だった。」
juzzed
ワクワクした・興奮した
I’m juzzed. 「ワクワクしてる。」「興奮してる。」
knackered
へとへと・くたくた
I’m knackered.「くたくただよ。」
kudos
称賛・賛辞
Kudos to you.「よくやった。」
ビジネスの場面でも使われているが、より丁寧な「appreciation」や「recognition」を好む人もいるので注意。
nuts/nutty
ばかげた・変な・イカれた
It’s nuts/nutty.「ばかげてる。」
pooped
くたくた・へとへと
I’m pooped. 「へとへとだ。」
psyched
ワクワクした・興奮した
I’m psyched. 「ワクワクしてるよ。」「興奮してるの。」
shabby
しょぼい・みすぼらしい・粗末な
That cabin looks shabby.「あのキャビンは見るからにみすぼらしいね。」
sick
最高・イケてる・かっこいい
His new album is so sick.「彼の新しいアルバム、超サイコー。」
場面や言い方を間違えると、「病気」や「気持ち悪い」のようなネガティブの意味にとられかねないので注意。
sold
(提案や説明に納得して)受け入れた
I’m sold. 「賛成。」「了解。」
sketchy
怪しい・不審な・信用できない
The ice over there looks a little bit sketchy. 「あのあたりの氷はちょっと危なそう。」
spot on
ドンピシャ・大当たり
The taste is spot on. 「味はバッチリだね。」
squared away
準備万端な
They are squared away.「彼らは準備万端だよ。」
stew
イライラ・モヤモヤ・やきもき
She was in a stew about the call from the agency.「彼女、エージェンシーからの電話にやきもきしてたよ。」
気をもむ・くよくよと考える
I’m stewing on things in the past.「過去のあれこれについてくよくよと悩んでしまうんだ。」
シチューのように頭の中で考えが煮詰まっている状態。
stoked
ワクワクした・興奮した
Kids were stoked to see the tree house.「子どもたちは木の家を見て大興奮だったよ。」
suck
(失望や不満を感じたとき)ひどい・最悪
That sucks.「ついてない。」「最悪。」
wack
(見た目や言動、考えなどが)ダサい・変な・バカげた
That guy is a wack.「あの人、ダサいよね。」
-wise
(「名詞-wise」の形で)~的には、~に関しては、
money-wise 「金銭的には」time-wise 「時間的には」price-wise「値段的には」
固有名詞の後につけることも可能。
行動や動作に関する言葉
call
判断・決断
It’s your call.「あなた次第ね。」「あなたが決めて。」
ghost
音信不通になる・連絡を絶つ・無視する
She totally ghosted me.「彼女に完全に無視されたよ。」
恋愛関係が終わったあとや親友と絶交したあとなどによく使われる。
gussy up
めかし込む・見栄えよくする
She has been gussied up for the shooting. 「彼女、撮影のために身なりを整えてるよ。」
nail
うまくやる・やってのける
You nailed it.「キマったね。」「よくやった。」
screwed/screw up
へまをした・しくじった・ヤバい
I’m screwed. 「もう終わりだ。」
I screwed up. やっちまった。
思わず口を突いて出る言葉
bugger
失望や怒りを表す言葉
Bugger! しまった!
(親しみを込めて)しょうもない奴・(侮蔑的に)ろくでなし
He is a complete bugger. ほんと困ったやつだ。
名詞として使う場合、言い方次第で伝わるニュアンスが違うので要注意。
darn/dang
(damnの婉曲表現)軽い不満や驚きを表す言葉
Darn!/Darn it!/Dang!/Dang it!「ちぇっ」「くそっ」「あちゃ~」「しまった」
どちらかというと若い人はdang、年齢が上の人はdarnを使う。
Very(すごく)の代わりとしても使える。
That’s darn/dang good. 「それ、すごくいい。」
dude
驚きや感動を表す言葉
Dude!「おぉ~!」「うわっ」
男性への親しい呼びかけにも使われる。
Hey, dude.「よう!」
heck
(hellの婉曲表現) 嫌悪感を表す言葉
Heck!「ちぇっ」
What the heck!「一体全体」の形で使われることが多いが、 What the…で止めて、後を濁することも。
holy cow
(Holy shitやHoly crapの婉曲表現)予想外の出来事に対する反応
Holy cow! 「うわぉ!」
jeez
(jesusの略語)驚き、不満、失望、イラついた気持を表す言葉
Jeez!「なんてこと!」「勘弁してよ!」
(oh) man
驚きや落胆、失望を表す言葉
Man!「うわぁ!」
Oh man.「しまった。」
shoot
(shitの婉曲表現)
Shoot!「しまった!」
yikes
驚いたりショックを受けたときの反応
Yikes.「うわっ。」「ひぇ~。」「げっ。」
文章のつなぎや切り替えに使われる言葉
anyway(s)
とにかく・ってことで・それはそうと
Anyway, the long story short,….「ってことで、要約すると、…。」
話題の切り替えたり、話をまとめたり、終わらせたりするときに使う。
anywaysという人もいるが、文法的に正しくないという意見がある。
like
あ~・えっと
Like, the first day, like, you need, like, a sort of dress shoe, like to work there.「あ~、初日に、えっと、そこで働くには、あ~、ちゃんとした靴が、えっと、必要なんだ。」
言葉に詰まったときなどに特に意味もなく入れる言葉で、どちらかというと若い人がよく使う。
segway
前振り・転換
That is a good segway into my next question.「次の質問へのちょうどいい前振りだね。」
話題を切り替えるときに使う言葉で、ビジネスで使ってもOK。
you know
だよね・ほらっ・あ~
Life before YouTube was, you know, just life in general like everybody else.「YouTubeを始める前は、ほらっ、他の人たちと同じように普通の生活だったよ。」
相手に同意を求めたり、言葉に詰まったときに使われる。どちらかというと、年長者が使う。
That said
(That being saidの短縮形)とはいえ・ということで
The subject is the most important. That said, you need to know what people are interested.「地番大切なのはテーマだ。そんなわけで、みんなが何に興味を持っているかを知らないといけない。」
whatever
どうでもいい・お好きなように・はいはい
A: I’m sorry, I didn’t know you want it, too.「ごめん、あなたも欲しがってたなんて知らなかったものだから。」
B: Whatever.「別に、どうでもいいよ。」
相手の言うことに無関心だったり、あきらめの気持ちがあるときにする投げやりでダルい感じの返事。相手の意見を受け入れる気がないときにも使える。
まとめ
今回は、
- スラングとは
- アウトドア系のYouTube動画とリアリティショーで耳にしたアメリカ英語のスラング
- 熟語よりも1語で意味を成すものが多め
- 学校で習ったのとは違う意味で使われている(知っている単語に別の意味があった!)
- 教科書ではまず見かけない
について、例文付きで紹介しました。
表現そのものは簡単ですが、使い方や使う場面を間違えると痛い目に合います。
どんな場面でどういう風に使われているか、人気のYouTube動画をはしごして、今回紹介したスラングを探してみてください。
ごく親しいアメリカ人の友人がいる人は、まずはその人に使ってみるといいかもしれません。
メールやテキストメッセージに使われる頭字語や略語のスラングはこちら↓をご覧ください。
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