みなさんの自治会ではどんなお金が集められていますか。
今回の記事では、我が家が所属する自治会の今年度の集金予定表(集金項目リスト)に載っていた
- 区費(自治会費)
- 区会連合会費
- 日本赤十字社の社費
- 赤い羽根共同募金
- 緑の募金(緑の羽根募金)
- 教育振興費
- 社会福祉協議会費
- 神社費
- 地域のお祭りの協賛金
のうち、どれが払ったほうがいいものでどれが強制すべきでないものか、それぞれの運営主体や特質・使用目的等を明らかにしながら説明します。
払ったほうがいい項目
上のリストの中で自治会のメンバーとして払ったほうがいいのは区費(自治会費)です。
所属する自治会が区会連合会(自治協会)に入っている場合は、たいてい区会連合会費も区費と同様の扱いになります。
区費と区会連合会費
| 項目 | 区費 | 区会連合会費 |
|---|---|---|
| 徴収組織 | 自治会(区) | 区会連合会 |
| 主な用途(例) | 街灯電気代・集会所維持・地域イベント | 連合会運営費・市区町村との連携事業 |
| 受益対象範囲 | 自治会内(狭い) | 市区町村全域(広い) |
区費とは、地域住民の自主的な組織である自治会(区)が、その地域のイベントや清掃活動、防犯活動などを行うために世帯単位で集めるお金(自治会の運営費)のことです。
一方、区会連合会費とは、市区町村内の複数の自治会が連携した、地域最大の自主組織である区会連合会が、地域間の連携強化、防災・防犯活動の推進、行政機関への要望取りまとめなどを行うためのお金(区会連合会の運営費)です。
- Q区費や区会連合会費の支払いは義務ですか?
- A
区費も区会連合会費も、自治会への参加を強制できないのと同様に、法的には支払いを強制できません。
ただし、いずれも自分の住んでいる地域の公共サービスのために使われる、言わば共益費のようなものなので、支払わないことにより
- ゴミ捨て場の利用を制限される可能性が高い
- 回覧板の不配布により、地域行事や行政情報の入手が困難
- 地域イベント等へ参加できない(恩恵が受けられない)
- 防犯・防災情報の入手が困難で、緊急時のリスクが高い
- 近隣住民との間にトラブルが生じる可能性が高い
- 行政に対する申し入れや相談がしにくくなる
といったデメリットが生じます。
平常時に限らず、緊急時にも平穏で安全な生活を送るためだけでなく、地域の一員としての社会的責任を考えると、区費は払ったほうがいいのではないでしょうか。
- Q区費や区会連合会費の支払いの減額や免除は可能ですか?
- A
様々な事情により区費や区会連合会費の支払いが家計を圧迫するような家庭に対しては、各自治会の判断で減額や免除もありえます。
また、会費の負担が重いと感じる住民が多い場合、自治会の集会で減額を提案することも可能です。
強制すべきでない項目
- 日本赤十字社の社費
- 赤い羽根共同募金
- 緑の募金(緑の羽根募金)
- 教育振興費
- 社会福祉協議会費
- 神社費
- 地域のお祭りの協賛金
これらは、任意性(自由意思)・無償性(直接的な見返りを求めない)・公益性(社会貢献や支援目的)といった特質から、すべて寄付にあたります。
そして、あたかも「払うべきもの」のように寄付金を区費に上乗せして徴収することについては、「違法」の判決が出ています。
参考資料:
- 町内会費への寄付の上乗せに無効判決
- 【調査資料】赤い羽根共同募金の強制徴収によりトラブルに発展した事例
- 自治会費に含まれる特定宗教関係費(神社関係費)に関する判例について
- 隣組による共同募金の強制割当
要するに、自治会による寄付金集めで問題なのは、任意性を明確にせず、住民の自由意思を尊重していないところだけです。
強制的に徴収しなくなった途端、寄付そのものをやめる人が続出したというのはよくある話です。
経済的に厳しい状況下にある人なら、それも致し方ないかなと思います。
けれど今回例に挙げた寄付金の中には金額によって寄附金控除の対象になるものが多数あります。
これまで寄付が負担になっていなかった人は、これを機にどういった団体がどんな目的のために寄付を集めているのか把握し、賛同できるところがあれば、額の大小にかかわらず、寄付を続けてみるのはどうでしょうか。
それぞれの団体に個人で寄付するのが面倒くさいのであれば、それこそ自治会の取りまとめを利用することが可能です。
日本赤十字社の社費
運営主体:日本赤十字社
使用目的:災害救護、復興支援、血液事業、社会福祉活動、国際活動、赤十字活動の資金など
時期:主に5月(赤十字運動月間)
寄付金額(個人・年額)の目安:500円~1,000円程度
税制上の優遇措置:
- 年間2,000円以上の寄付で、所得税と住民税の「寄附金控除」対象
- 日本赤十字社の社費→寄附金額から2,000円を差し引いた額に対し、約10%の住民税(市民税・県民税)控除
- 日本赤十字社都道府県支部および市町村社会福祉協議会への寄附→寄附金額から2,000円を差し引いた額が所得から控除
- 日本赤十字社発行の領収書が必要
- 確定申告が必要
赤い羽根共同募金
運営主体:都道府県共同募金会
使用目的:地域福祉活動、高齢者・障がい者支援、子育て応援事業、災害時の被災者支援など
時期:主に10月〜12月
寄付金額(個人・年額)の目安:600円〜1,200円
税制上の優遇措置:
- 年間2,000円以上の寄付で、寄付金控除(所得控除・税額控除が選択可能)の対象
- 寄附金額から2,000円を差し引いた額に対し、約40%の税額控除
- 住んでいる都道府県・市区町村の共同募金会への寄付であれば、住民税の控除対象(約4〜6%)となる場合が多い
- 共同募金会発行の領収書(受領証)が必要
- 確定申告が必要
緑の募金(緑の羽根募金)
運営主体:公益社団法人国土緑化推進機構(全国)または各都道府県知事から指定を受けた都道府県緑化推進委員会・緑化推進協会
使用目的:森林の整備・保全、緑化推進、環境教育、災害復旧支援、国際協力など
時期:春(4-5月)と秋(9-10月)
寄付金額(個人・年額)の目安:200円程度
税制上の優遇措置:
- 年間2,000円以上の寄付で所得税(所得控除・税額控除の選択可能)・一部の個人住民税の寄附金控除の対象
- 寄附金額から2,000円を差し引いた額に対し、約40%の所得税控除
- 自治体の条例で指定されている場合、住民税(10%)の税額控除対象
- 寄付をした団体が発行する領収書が必要
- 確定申告が必要
教育振興費
運営主体:国(文部科学省)および地方自治体(都道府県・市町村の教育委員会)
使用目的:学校の環境・設備整備、教育活動支援、子育て支援、不登校対策、保育・幼児教育の推進など
時期:自治体により様々
寄付金額(個人・年額)の目安:100円〜500円程度
税制上の優遇措置:
- 年間2,000円以上の寄付で、寄付金控除(所得控除・税額控除が選択可能)の対象
- 所得控除→寄附金額から2,000円を差し引いた額を総所得金額から控除
- 税額控除→(寄附金額から2,000円を差し引いた額)x 40%を所得税額から控除
- 学校に提出する「寄附金領収書」や「税額控除に係る証明書」が必要
- 確定申告が必要
社会福祉協議会費(特定寄附金)
運営主体:(自治体の)社会福祉協議会
使用目的:ボランティア活動の育成・支援、ふれあい・居場所作り、見守り体制の強化、福祉サービスの提供と相談支援など地域密着の事業
時期:5月〜8月頃と12月(歳末たすけあい募金)が多い
寄付金額(個人・年額)の目安:500円~1,000円程度
税制上の優遇措置:
- 年間2,000円以上の寄付で、寄付金控除(所得控除・税額控除が選択可能)の対象
- 所得控除→寄附金額から2,000円を差し引いた額を総所得金額から控除
- 税額控除→(寄附金額から2,000円を差し引いた額)x 40%を所得税額から控除
- 都道府県・市区町村が指定する特例控除に該当する場合、住民税から控除
- 社協発行の「寄附金受領証明書」または「税額控除に係る証明書」が必要
- 確定申告が必要
神社費
運営主体:神社(宗教法人)
使用目的:建物の修繕・維持、祭礼・行事運営、清掃・設備整備、伝統の継承など
時期:地域によるが、新年や祭礼・行事前が多い
寄付金額(個人・年額)の目安:1,000円〜3,000円程度
税制上の優遇措置:原則として、個人による神社への一般的な寄付は所得税における寄付金控除の対象外
地域のお祭りの協賛金
運営主体:自治会、商店街、青年団など、または複数の団体で構成される実行委員会
使用目的:伝統の継承、地域の活性化と交流、会場の設営費、運営費、神輿や祭礼用具の維持管理費など
時期:地域によるが春・夏・秋が多い
寄付金額(個人・年額)の目安:
- 単一の団体主催→100円~1,000円程度
- 複数の団体が合同で開催→1,000円~10,000円程度
税制上の優遇措置:個人による自治会や地域のお祭りへの寄付は、寄付金控除の対象外
まとめ
今回は、自治会で集められることが多い
- 区費(自治会費)
- 区会連合会費
- 日本赤十字社の社費
- 赤い羽根共同募金
- 緑の募金(緑の羽根募金)
- 教育振興費
- 社会福祉協議会費
- 神社費
- 地域のお祭りの協賛金
を、運営主体・特質・使用目的等をもとに、払ったほうがいいものと強制すべきでないものに分けてみました。
実はこの4月から母に代わって自治会の活動に参加することになり、初心者にもかかわらず、輪番で副会長という名の会計係を仰せつかることになりました。
初仕事は5月の半ば頃、第1回目の集金に対して領収書を発行し、自分たちの自治会の口座に1度全額入金した後、上位の自治会の口座に振り込むこと。
簡単なことのはずが、回覧版と一緒に配られた年間集金予定表(集金項目リスト)を見て唖然としてしまいました。すべての寄付金が支払う義務があるかのように各家庭の集金総額に上乗せされていたからです。
領収書に私の名前と印鑑を使う以上、違法なことに加担したくはありません。
早速予定表を作成した自治会長に連絡を取り、年間集金予定表(集金項目リスト)の寄付項目に任意であることを明記し、ひとり当たりの集金合計金額を変更するようお願いしたところ、了承してもらうことができました。
おまけに、自治会を通して寄付をした場合でも寄付金控除に使える領収書を発行してもらえるかどうかも、上位の自治会の会合で自治会長さんが質問してくれていました。(現在回答待ちです。)
みなさんは自分たちの自治会の集金項目や方法に不満や疑問を抱いていませんか。
もしそうなら、この記事や記事内に載せた参考資料がお役に立つよう願っています。


