米軍基地で働くには？応募方法は？必要な書類は？面接では何を聞かれるの？

米海軍・空軍基地に22年務め、そのうちの半分の期間、日本人従業員の採用面接に立ち会った経験から、基地内でも特に事務職系の仕事に就きたい人向けに、①応募の際の留意点、②面接できかれる可能性の高い質問と留意点についてお話します。

この記事を読めば、「採用間違いなし！」とは言えませんが、

何度応募しても面接にすら呼ばれない人
面接止まりで採用されない人

も、何が問題なのかを見極めることができるかもしれません。

応募方法について
応募の際の留意点
面接できかれる可能性の高い質問と留意点
まとめ

応募方法について

駐留軍等労働者労務管理機関（エルモ）のホームページに「求人情報」に関するページがあります。基地ごとに、わずかではありますが応募の手順や提出書類が異なるので、希望する地域・基地に関するページを開いて、そこに書かれている手順に従ってください。

履歴書他、提出に必要なフォーム（記入例・注意事項付き）はすべてエルモのホームページからダウンロードできます。
「求人募集情報詳細画面」内の「備考」欄に、応募書類のリストと提出先が掲載されています。

応募の際の留意点

エルモの説明はかなりわかりやすいと思いますが、いくつか気になる点があったので補足します。

応募書類は可能な限り郵送で該当するエルモ支部あてに提出するよう推奨されていますが、窓口に持ち込んだからと言って不利になることはないでしょう。（エルモは書類の取りまとめをするだけで、審査や面接、採用には一切関わっていません。）
「求人募集情報詳細画面」内の「必要な免許資格等」は最重要！
- 語学力・関連分野での職務経験・免許や資格などの要件を1つでも満たしていない場合、応募書類は基地内の人事課によるスクリーニングで落とされ、募集をかけている部署に届くことはありません。（注：募集情報に但し書きがある場合は別です。）必要な語学力や資格・経験を積むまでいったん応募を棚上げするか、要件の少ない（あるいは低い）別の仕事を探してみましょう。
- 語学力・免許・資格・学歴など、すべて証明書のコピーが必要です。自己申告のみや取得見込み（予定）は要件を満たしているとは見做されません。
- 事務系の職種ではテクノロジー（Microsoftならパワーポイント・エクセル・ワード・Teams等）を使いこなせることがかなりのアピールポイントです。提出書類に含まれてはいませんが、過去に作った文書やスライド、計算表やグラフ等のサンプルをオンライン（クラウド）上にそれぞれ保存、各URLをQRコードに変換、A4サイズの紙１枚に短い説明（英語）を添えて印刷し、応募書類に入れておくとインパクト大です。
可能であれば推薦状（英語）を応募書類に含めましょう。

面接できかれる可能性の高い質問と留意点

面接できかれる質問には一般的なものと、専門知識に関するものの２種類があります。

よく聞かれる一般的な質問には以下のようなものが含まれます。（実際の質問は英語です。）

どうしてほかの候補者ではなくあなたを雇うべきですか？／あなたを雇うとうちの部署にどんな利益がありますか？ー自分を売り込むチャンスです！
あなたの強みは何ですか？また弱みは？ー自己肯定感の高い人ほど自分の弱みを理解し、それを強みに変える努力をしています。
仕事でミスをしたり、問題が起こったとき、あなたはどう対処しますか？－他者とのコラボレーションやコミュニケーション力、問題解決能力を見るための質問です。
募集している職種に関連した職歴や資格・経験はありますか。あれば簡単に説明してください。－基地内の職場では即戦力になる人を探しています。
私たちへの質問はありますか？ーこれはたいてい面接の一番最後に聞かれる質問です。なくても構いませんが、応募した仕事に興味があることを示すような質問をするとやる気があると思われるでしょう。逆に雇用条件や待遇に関する質問をするのは、今後クレーマーになる可能性ありと見られるのでお勧めしません。また、この時点でこれまでの質問にうまく答えられていないと感じていたら、「質問ではありませんが」と断った上で、仕事にかける思いを端的に伝えるのも有効です。こういった万が一に備えて短いスピーチを用意しておけば、一発逆転も期待できます。

専門知識に関する質問は、簡単に答えられるものから実際にその職場で働いていないと答えようのないものまで様々です。もしその部署に関する情報が基地のHPや公式Facebookで確認できそうなら、一通り目を通しておくことをお勧めします。

その他の留意点としては以下のようなものがあります。

面接にはたいてい複数のパネル（面接官）が参加します。私が勤務していた部署では面接の際、パネルに通訳も兼ねて日本人を加えるようにしていましたが、すべての部署の面接に日本人がいるとは限りません。
たいていは最初に質問のリスト（プリント）を渡されます。中にはリーディング力は高くてもリスニング力が低い候補者もいるので。（この用紙は持ち帰ることはできません。）
面接官は答えの内容だけでなく、答え方、質問が理解できなかったときや答えのわからない質問をされたときの候補者の対処の仕方も観察しています。
- 面接の際には回答に自信がないときでも笑顔を絶やさず、はっきりした受け答えを心掛けます。ただし、傲慢に見られないよう気を付けてください。
- 質問が理解できなかった時は、もう１度言ってもらったり、別のきき方をしてもらえないか頼みます。それでもわからない時は、わかったふりをするのではなく、正直にわからないと伝えます。（思っている以上に的外れな回答をしたり、日本人の面接官に通訳してもらう人は多いです。）
- 答えのわからない質問をされたときは、「わからないけれど、自分なら」と自分なりの意見を述べたり「今はわからないけれど、学ぶ意欲がある」ことを示すと高評価につながります。

なお、英会話力を伸ばすには、ネイティブと定期的に話すのが一番です。周りに会話の練習に付き合ってくれる人がいないのであれば、ネイティブ講師のいるオンライン英会話スクールをお勧めします。