母が副会長をしている地区の老人会では月に1度、地域のため、仲間づくりのため、健康やボケ防止のために様々な活動やイベントを実施しています。
先月は、会席料理とレクリエーションを楽しむ会があり、母を含む70代後半から90代前半の男女20名が参加しました。
老人会でするゲームと景品を用意しなきゃいけないんだけど、予算は参加者一人につき200円ぐらいしかないのよ。
しかも景品は勝ち負けにかかわらず、全員が、それもぜんぶ同程度のものをもらえるようにしないといけなくて。
やっぱり100円ショップの商品しかないのかしら。
みんな、もらってもあんまり喜ばないんだけど…。
ということで、今回ご紹介するのは低予算で楽しめる老人会・敬老会向けのレクリエーションゲームとその景品です。
- 個人勝ち抜き型ゲームと景品(一人につき1つ)
- チーム対抗型ゲームと景品(チーム内で山分け)
- 資源ゴミを再利用した景品のないゲーム
景品ありの個人勝ち抜き型ゲーム
- ゲーム代が安価
- 大人数向け
- 1度のゲームで順位付けができる
- 高齢者にも簡単
定番ですが、上記の条件を満たすゲームとして、母たちの老人会はBingo(ビンゴ)を選びました。
Bingo
ご存じの方も多いと思いますが、Bingoは数合わせゲームです。
用意するもの
- ビンゴカード(縦x横5個ずつの25マスのうち、中央の1マス(Free)を除いた24のマスの中に、1から75までの数字がバラバラに配置されているカード):数字の配列が異なるものを参加者1人につき1枚ずつ
- 印をつけるための筆記具またはスタンプ
- 1~75の数字がそれぞれ書かれたボール・紙など(読み上げ用)
ゲームのやり方
- 参加者一人ひとりにビンゴカードと筆記具を配る。
- 代表者が1つずつ数字を読み上げる。
- 自分のカードに読み上げられた数字があれば、その数字に印をつける。(塗りつぶす・X印をつけるなど)
- 縦・横または斜めに1列に並んだ5個の数字(またはフリー)を早く消した人が勝ち。
- 「ビンゴ!」と言って景品をもらう。
- あと1個でビンゴ(1列の中の4つの数字に印が付いた状態)になったら、「リーチ!」と言う。
これが基本ですが、母たちの場合は、全員がビンゴになるまでゲームを続けました。
安くBingoを楽しむ方法
ビンゴカードは、参加者の数が60人以下なら、100円ショップで60枚入りを1セット購入するのがお勧めです。
数字の読み上げには「お便利ツール.com」の「ゲーム・ゲーム補助ツール」内にある「ビンゴゲーム」を利用します。
1.「スタート」をクリック。
2.「次の数字」をクリック。
なお、「音量」とありますが、あくまでも数字が選ばれるまでの効果音であり、選ばれた数字を聞くことはできません。
高齢者が対象のビンゴでは、単に数字を読み上げるだけでなく、ホワイトボードを用意して、読み上げられた数字を大きく書いてあげましょう。
アレンジ
無料で使える「お便利ツール.com」では、ビンゴ用の数字ルーレット(?)のほかに、「ビンゴカード」も利用できます。
参加者がスマホを持っていることが前提ですが、老人会の活動として「スマホの使い方教室」を開き、最後にオンラインでビンゴゲームをしてみるのもおもしろいと思います。
景品
- 全員に同程度の景品を用意する
- 1つの景品に使えるのは200円前後
- 100円ショップ以外の商品
- 高齢者がもらって喜ぶもの
以上4つの条件を満たすべく、景品はすべて近くのスーパーで用意しました。
購入したのは、非常食にもなりうるインスタント食品や缶詰、お茶請けに出せる飴、袋入りのお菓子です。
今回の参加者は、独居、夫婦二人暮らし、すぐ隣に家族はいるが、二世帯住宅で食事は別という人が半数以上でした。中には101歳になる母親の世話をしている80代の男性もいました。
1人分・2人分の食事を作るのは不経済です。
同じものが何食も続くと飽きがきますし、かといって毎回違うものを作るのは面倒です。
1時間かけて作った食事は10分で終わり、あとには洗い物が…。
いくら料理が好きでも、誰だってたまには全部投げ出して外食したり、カップ麺で済ませたくなりませんか。
また、地元出雲では近所の人をしょっちゅう「お茶」に呼びます。
結果的に、インスタント食品、缶詰、飴。袋入りのお菓子はどれも参加者に大好評でした。
景品の分配
せっかくゲームに勝っても、もらえるものがみんな同じくらいの価値だと、勝負に対する意気込みや勝った喜びが半減します。
そこで、参加者がよりゲームを楽しめるように、景品は勝った人から選べるようにしました。
ただし、あらかじめ景品がわかっていると開けた時の楽しみがないので、全部新聞紙で包みました。(どうせ捨ててしまう包装紙にお金をかけるのはもったいないので。)
母たちは取り入れませんでしたが、「シークレットサンタ」でやる「横取りルール」を採用すると、景品選びが白熱しておもしろさ倍増です。
景品ありのチーム対抗型ゲーム
チーム対抗型のレクリエーションでおすすめなのは、野菜の重さに関するゲームです。
田舎では実に多くの高齢者が自宅で野菜を育て、たがいにおすそ分けしあっています。
ゲームに必要な野菜を少しでも参加者から寄贈してもらえれば、ゲーム自体にかかる費用が浮きます。
*同じゲームをくだものですることもできます。景品にはそちらのほうが喜ばれるかもしれませんが、費用がかさむので、予算次第というところでしょうか。
ぜんぶでいくら?
用意するもの
- 数種類の野菜(ジャガイモ・人参・玉ねぎ・ブロッコリー・トマト・大根・白菜など)
- はかり
- ざるまたはボール
- ホワイトボード(または大きめの紙)とマーカー
事前準備
- ブロッコリー・大根・白菜のような大き目の野菜は4~8等分に切り分ける。
- 全種類の野菜を1つ(1切れ)ずつざる(ボール)に入れておく。
ゲームのやり方
- 参加者を少人数(3~5人)のグループに分ける。
- 前テーブルにあらかじめ用意しておいた野菜のざる(ボール)を置いて見せる。
- 各チームのテーブルに全種類の野菜(前テーブルに置いたのとは違うもの)を1つ(1切れ)ずつ置く。
- 主催者は前テーブルの中の野菜を1つだけ取って重さをはかり、全員に知らせる。
- 各チームのテーブルに置かれた野菜を手に取って、教えてもらった野菜の重さもヒントにしながら、ざる(ボール)の中の野菜の重さを予想する。
- チームごとに、前のテーブルに置かれた野菜のざる(ボール)の総重量をボード(紙)に書く。
- 入れ物の重さを入れるかどうかは自由。入れないことにすれば、引き算の練習ができる。
- 野菜のざる(ボール)の重さをはかって答え合わせ。
- 一番正解に近いチームから景品を選べる。
景品
景品は、ゲームに使った野菜を人数で等分し、優勝チームのメンバーから好きな野菜セットを選んでもらうようにします。
予算に余裕があって景品に優劣をつけても構わなければ、カレーのルー、コンソメ、鶏がらスープのもと、おでんのもとなどを優勝チームの景品にします。
アレンジ
参加者一人ひとりに景品を渡す代わりに、調理が可能な施設であれば、ゲームに使用した野菜を使って、カレー・シチュー・スープパーティをすることもできます。
景品代が余っているはずなので、お米やお肉を買うお金には困らないはずです。
景品なしの資源ゴミ再利用ゲーム
使える予算はほぼないけれど、みんなで集まって何か楽しいことをしたいという老人会・敬老会には、資源ごみを再利用したゲームがお勧めです。
割り箸を使うゲーム
お食事会で使った割りばしをそのまま捨ててしまうなんてもったいない!
洗ってゲームに再利用しましょう。
ティピーテント倒し(割り箸取り)
用意するもの:
割りばし
テープの芯などしっかりしたリング状のもの(牛乳パックを1センチくらいの輪切りにしたものでもよい)
遊び方:
- 参加者を3~6人のグループに分ける。
- 各グループに、リング1個と50本くらいの割りばしを渡す。
- リングの中に割りばしを詰め、割りばしの束をねじって円錐形のテントみたいに立たせる。
- 順番に1本ずつ箸を抜き取る。(上から抜き取っても下から抜き取ってもOK。)
- テントを崩した人の負け。
*割りばしがなかなか集まらない!*
新聞紙を使うゲーム
田舎では、じっくり読みこんでいるかどうかはともかく、まだまだ新聞をとっている家庭がたくさんあります。
我が家では、チリ紙交換が消えて以来、お風呂の焚き付けや揚げ物の油取りとして役立っていますが…。
ロープ作り
用意するもの:
新聞紙1人につき1/2枚(半分)を人数分
タイマー
遊び方:
- (参加者を5~10人のグループに分ける。)
- 全員に半分サイズの新聞紙を渡す。
- タイマーを2分にセットし、新聞を端から細長く割いて(ちぎって)ロープを作っていく。
- 縦・横どちらの向きに割いてもOK。
- 端に来た時には折り返す形にしても、ぐるりと一周するようにしてもOK。
- タイマーがなったら、(グループ内で)ロープを並べる。
- 一番長いロープを作った人の勝ち。
アレンジ:ロープの代わりに、身近なもの(車・犬など)の形をちぎって作るのもお勧め。
文字探し
用意するもの:
新聞紙1人につき1枚を人数分
筆記具(えんぴつ・ペン・マーカーなど)1人に1本ずつ
タイマー
遊び方:
- 全員に新聞紙を1枚ずつと筆記具を1本渡す。
- それぞれに、新聞紙を16分の1サイズに折ってもらう。
- 探す文字(ひらがなでも漢字でも何でもOK)を伝える。
- タイマーを2分にセットする。
- 「始め!」の合図で新聞紙を広げ、お題の文字を見つけたら○で囲む。
- 制限時間終了時に一番多くお題の文字を見つけていた人の勝ち。
玉入れ
用意するもの:
新聞紙
ゴミ箱(大)
椅子または座布団
遊び方:
- 参加者を何チームかに分けます。
- 各チームに同じ枚数の新聞紙(4分の1サイズ)を渡し、それをまとめて同じ個数の新聞紙ボールを作ってもらう。
- 部屋の中央に数個の大きなゴミ箱を置き、それを中心に半径1.5mのところに円形に椅子(または座布団)を並べる。
- 椅子は1チームの人数分用意する。
- チーム内で新聞紙ボールをわけ、最初にプレーするチームのメンバーは自分の分のボールをもって椅子に座る。
- それ以外のチームは部屋の隅で待機する。
- 「始め」の掛け声とともに、自分の持っているボールを座ったままゴミ箱に投げ入れる。
- メンバー全員がボールを投げ終わったらゲームセット。ゴミ箱に何個のボールが入っているか数える。
- すべてのチームがプレイする。
- いちばん多くゴミ箱にボールを入れたチームの勝ち。
最後に
実は「文字探し」ゲームは、アメリカ人の子どもたちに好評だったものです。
その時は新聞紙の代わりに、色が鮮やかな雑誌や広告を使い、ひらがな46文字を見つけ出してオリジナルのひらがな表を作るというアクティビティをやっていました。
実際のところ、幼稚園児や小学校の低学年に人気のアクティビティと高齢者に人気のアクティビティには、
- モータースキル(指先をうまく使いこなす能力)を高める
- 脳トレになる(認知機能・集中力・記憶力を高める)
- 筋力や体力が弱くても参加できる
など、いくつかの共通点があります。
今回は、低予算で取り組める、実際に田舎の高齢者に好評だったレクリエーションゲームと景品を紹介しました。
近いうちに高齢者(と子供たち)に人気の工作についても紹介しようと思います。
\こちらで紹介しているダンスなら高齢者のみなさんにも楽しんでいただけるのでは?/