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【キノコ栽培実験】採集したヤマドリタケモドキで裏山を宝の山に!同定プロセスと「胞子水」散布レポート

ヤマドリタケモドキ栽培実験

野生のキノコの魅力に取りつかれて早3年…。

これまで「【キノコクイズ】出雲の山里で散歩中に出会った20のきのこ…「日本のポルチーニ」はどれだ⁉」や「【天然きのこ&木の実】採る?採らない?食べる?食べない?秋の野山は恵みがいっぱい!毒もいっぱい!」でもお伝えしたように、キノコの世界には新種や変種が多く、研究者にすら正体がわからない怪しいきのこがたくさんあります。

だからこそ、野生のキノコを安易に採ったり食べたりするべきではありませんが、だからといって「探すだけ・見るだけ」が続くと、次第に物足りなさを感じるようになります。

そこで、今回は知的好奇心を満たすために「野生キノコの栽培(胞子散布)実験」をしてみることにしました。

ターゲットは、日本が誇る和製ポルチーニ「ヤマドリタケモドキ」。生きた樹木の根と共生する「菌根菌(きんこんきん)」というグループの高級キノコの1つです。

100%本物だと認定されない以上、食べることも売ることもできないけど、この実験が成功すれば、将来、裏山が「宝の山」になるかも!

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同定に関する考察:私がこのキノコを「本物」と判断し、実験に踏み切った理由

ということで、まずは私自身が採集した野生のキノコの正体をどんなふうに特定(同定)したかから説明します。

実験に使ったキノコ
クリの木の周辺で見つけた、ヤマドリタケモドキと思われるキノコ

上の写真に写っているのが、今回の実験に使用したキノコたちです。幼菌から老菌まで世代はバラバラ、状態も一番右の老菌は雨で溶け始めてグチャグチャですが、どれも同じ1つのクリの木の周辺に群生していたものです。

もちろん、これらが本当にヤマドリタケモドキかどうかは、きのこアドバイザーや菌類インストラクターといったキノコの専門家に、直に見て触れて判断してもらうしかありません。

私はどちらの資格も持っていませんし、そういったキノコのプロに鑑定してもらったわけではないので、写真のキノコたちがすべて本物だという確証はありません。ただ、以下の3つの論理的な根拠から、「本物である確率が極めて高い」と判断しました。

  1. 「出雲の標高」という地理的メリット
    ヤマドリタケモドキによく似た猛毒キノコに「ドクヤマドリ」があります。けれど、ドクヤマドリは基本的に標高の高い亜高山帯に発生するキノコです。ここ出雲のような低標高の雑木林(しかもクリの木の近く)という環境を考慮に入れると、ドクヤマドリの可能性はほぼ除外できます。
  2. 傷つけたときの変色性のチェック
    ニガイグチと区別するときに重要な「傷をつけたときの変色(青変性など)」をチェックしましたが、そういった色変わりはありませんでした。
  3. 傘の裏(管孔)や軸の色・形状の合致
    AIやアプリに写真をアップして回答を確認すると同時に、傘の裏側のスポンジ状の色や形状、軸の網目模様や肉質などをキノコ図鑑の説明と照合しましたが、いずれもヤマドリタケモドキの特徴と完全に一致していました。
    *利用したAI・アプリは、GoogleのAIモード、Copilot、キノコ識別ツールの3つで、すべて無料です。

ところで、残念ながら、これら菌根菌を、①室内で、②人間の管理下だけで育てる「人工栽培」の技術は、今のところまだ確立されていません。つまり、ヤマドリタケモドキは、シイタケやエリンギなどのように、スーパーで簡単に手に入れることができません。

そんな状況で、ほぼ本物と言えそうな高級キノコが目の前にある…。
しかもシイタケの原木栽培より簡単そう…。

私には自然の樹木の力を借りて、裏山の生態系に直接菌を定着させる「野生への定着(播種)実験」をスルーすることなどできませんでした。

自己判断によるキノコ栽培に関する注意点

ここまで読んで「自分もやってみたい!」と思ったみなさん。

もし本当に実験するのであれば、まずは「道の駅」や「信頼できるオンラインショップ」などで、プロが確実にヤマドリタケモドキ、またはヤマドリタケ(ポルチーニ)として販売しているキノコを購入してください。

万が一、私のように自分で採集した野生のキノコを自分の判断だけで使うと、猛毒キノコが混ざっていないとは言い切れず、裏山に毒キノコが大量発生するリスクがあります。

一方、100%本物のお墨付きがあるキノコなら、実験に成功した後、採って食べることも可能です。

試してみたいという人は、あくまでも自己責任で、自分にも環境にも安全なキノコをお使いください。

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実験の第1段階:井戸水を使った超濃厚「胞子水」の仕込み

実験日:2026年9月26日(雨時々曇り)

雨の止み間をぬって、キノコ採集に行ったので、使用したキノコはどれも雨に濡れていました。

胞子水の仕込みの手順

1.(濡れた)落ち葉などがくっ付いていたら、農作業用の手袋で取り除く。
2.バケツに井戸水(私は約8L)を入れ、その中に軸もドロドロに溶けたカサの部分もすべて投入。
*水道水を使う場合は、カルキ(塩素)が菌を殺してしまうので、1度完全に煮沸し、冷ましてから使用してください。日本のミネラルウォーターなら、そのまま使用可能です。
*溶けかけのキノコは、何億、何兆個もの成熟した胞子が放出されやすい状態なので、おすすめです。

井戸水にきのこ投入

3.手袋をした状態で水の中に手を入れ、できるだけ小さくなるようにキノコをすり潰す。

すりつぶしたキノコ

すりつぶしが終わる頃には、水は濃厚な茶色に変色し、「濃厚な椎茸の出し汁」のような強いキノコの匂いがあたりに充満します。

よく図鑑等には「ナッツのような香り」と書かれていますが、これは乾燥した状態のポルチーニの匂いのようです。
生の、しかも雨で溶けかけたキノコを水の中ですり潰すと、100%剥き出しの強烈なアミノ酸(旨味)の匂いがしました。

4.菌を環境に馴染ませるために、特製胞子水を一晩じっくりと寝かせる。
*胞子水を寝かせる時間が長すぎると、雑菌が繁殖する原因になるので、放置するのは長くても1~2日に抑えたほうがいいでしょう。

私の場合、単に雨の中、まだやぶ蚊もたくさんいる時間帯(午後4時過ぎ)に裏山に行くのが嫌だったので、放置したにすぎません。実はこの実験は2回目で、1回目(アカヤマドリ使用)の時は、胞子水を作ってすぐに裏山に撒きました。

実験の第2段階:ブナ科の樹木の根元に胞子水を散布

翌日も、前日と同じように雨時々曇り。

キノコの胞子は乾燥が大敵なので、土も落ち葉も水分をたっぷりと含み、しっかり濡れた大地は、胞子が死なずに土の奥深くへ浸透できる最高のコンディションです。

ターゲットは、3mほどの高さがある崖の上に生えているクヌギの木の下、今回キノコが採れたのと同じ環境であるクリの木の下、おまけのシイの木の下。さらに、以前実際にアカジコウやヤマドリタケモドキが発生していた崖下の土砂や落ち葉が積もった菌糸のネットワークが眠っている可能性が高い「約束の地」です。(下図参照)

胞子水をまいた場所
崖の斜面(ほぼ垂直)には雑草やシダ、幼木が生い茂っていて、土がむき出しになっているのは全体の8割程度です。

なお、崖下には直射日光が当たる時間がありますが、崖上は周囲の木々のせいでそれほど日当たりがいいとはいえません。

胞子水を撒く際の手順

1.雨で濡れた落ち葉をどかす。(土を露出させる)

2.露出した泥に向けて、バケツから濃厚な胞子水をダイレクトに流し込む。

3.最後に、避けておいた濡れた落ち葉を上から優しく被せ直して、天然の「保湿お布団」をセットする。

崖上の4カ所、崖下の2か所の計6か所(いずれもアカヤマドリの胞子水を撒いたのと同じ場所)に、だいたい同じぐらいの量ずつ胞子水を散布しました。

最後に:1~2年後の大成功を夢見て

今回は、自分で採集した野生のヤマドリタケモドキ(多分)を使った「野生栽培実験」について、我流のキノコ同定プロセスと実験手順を紹介しました。

記事に使用した写真はヤマドリタケモドキで実験したときのものですが、同じ場所にその1週間ほど前にアカヤマドリの胞子水も撒いたので、いわゆる日本のポルチーニと呼ばれるキノコ2種から採った胞子水を重ねて撒いたことになります。

菌根菌が木と出会い、再び地上に姿を現すまでには数ヶ月から数年という長い時間がかかると言われています。

はたして実験は成功するのか。勝者はアカヤマドリか、ヤマドリタケモドキか、あるいはどちらも共生に成功するのか。

恐らく来年以降になると思いますが、成功した暁にはまたブログで紹介しますね。その時までにキノコ関係の資格を取ろうかなぁ…。それとも、出てきたキノコをプロに鑑定してもらおうかなぁ…。

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