潮干狩りというと、「バケツに小さな熊手をもって、干潟でアサリ採り」のイメージが強いと思います。
けれど、出雲市在住の我が家の場合は、近くの砂浜で「ナミノコガイ」を採ります。
今回ご紹介するのは、
- ナミノコガイの採り方
- ナミノコガイのおいしい食べ方
の2点です。
楽しく、おいしく、運動にもなるナミノコガイ採りは、ダイエット中の人はもちろん、小さなお子様連れの海遊びにもってこいのアクティビティです。
ナミノコガイの潮干狩り
ナミノコガイとは?
ナミノコガイはフジノハナガイ科ナミノコ属の二枚貝です。
扁平した丸みのある三角形で、アサリのような厚みはなく、横幅は2.5cmくらいまで成長します。
外殻の色合いや縞模様は、白っぽいものから赤茶や灰色っぽいものまで様々ですが、内側は概して紫色を帯びています。
二股の水管と長い脚をもち、波に乗って砂浜を移動することから「サーフィン貝」とも呼ばれています。
いつ採れる?
春から夏にかけてがメインですが、出雲では初秋でも十分とれます。
潮見表で干潮の時間を確認することもできますが、うちはワンコの散歩を兼ねることが多いので、砂の温度が下がった夕方の時間帯に出かけます。
晴れていようが、曇っていようが、海が凪いでいるときのほうが採りやすいです。
どこで採れる?
ナミノコガイは関東より南の砂浜に生息しています。(うちは、ほとんど人がいないので、もっぱら湖陵町の漁港からお隣の多伎町に向かう砂浜で採ります。)
波打ち際、スワッシュゾーン(波の到達上限と下降限界の間)がねらい目で、大きめの貝は、10センチ以上砂の中にもぐっています。
波が引いた後の砂に目を凝らすと、貝がもぐっている場所にはぽつぽつと空気穴が開いています。
\出雲なら、観光ついでにタダで思う存分ナミノコガイの潮干狩りが楽しめます。/
どうやって採る?
用意するもの:
- ナイロン袋やバケツなど、採った貝を入れる物
- 空のペットボトル
採り方:
わかりにくいかもしれませんが、手にナイロン袋なり、バケツなりをもって、スワッシュゾーンの上でツイストを踊るように腰をひねりながら、足を砂に埋めていきます。
たいてい足首ぐらいの深さまで掘ると、足裏に貝が触れるので、手を突っ込んで採ります。
他に採る人がいないのか、湖陵の砂浜ではいつ行ってもたくさん採れるので、我が家のメンバーは大きめのものだけを採るようにしています。
*すぐに採らないと、掘り返した砂ごと波に洗われて、貝が流されてしまいます。
そして、30センチくらい横に移動してまたツイスト。
1時間もこれを繰り返していると、採れる貝の量もさることながら、結構な運動量になります。
最後に、ペットボトルにきれいな海水を満タンに入れて持ち帰ります。
ナミノコガイ採りに行った方が「こんなのも採れたよ」と写真を送ってくださいました。
「つかみ方を間違えるとハサミにやられて出血するから、採るなら気をつけて」だそうです。
ナミノコガイの料理
ナミノコガイは、他の二枚貝と同じように、低脂肪でたんぱく質が豊富なダイエット向きの食品です。
ビタミンB群に加え、カルシウム・鉄・亜鉛・マグネシウム・カリウムといったミネラルが多く含まれているので、健康自然食品としても優秀です。
さらに、アミノ酸であるグルタミン酸や、コハク酸といったうまみ成分もたっぷり含まれていて、個人的にはアサリよりもおいしいと思います。
ただ、エサのせいで、サザエのようなわずかな苦みを蓄えている貝に出くわすことがあります。
貝毒を懸念されるかもしれませんが、少なくとも我が家の面々は、苦みを感じる貝を食べた時も、下痢といった中毒症状に悩まされたことはありません。
身は殻いっぱいに詰まっていて、火を通してもぷっくり感が残り、小さくても食べ応えがあります。
下処理:砂抜き・塩抜き
手順:
- 採ってきたアサリを殻をこするようにして水洗いする。
- ボールに貝を入れたざるを入れる。
- 2に採ってきた海水があれば海水を、なければ海水よりちょっと濃いめの塩水を、貝がひたひたになるぐらいまで入れる。
- 朝まで約半日、暗い中に置いておく。(砂抜き)
- 海水を入れたバケツ等に、採った貝(できるだけ砂を落とす)をすぐに入れるようにすれば、1~2時間でも十分に砂抜きができます。
- 次の日の朝、砂入りの塩水を捨て、貝を水洗いする。
- 貝を戻したざるをボールに入れ、30分ほど放置する。(塩抜き)
調理法(レシピ)
アサリやシジミ同様、ナミノコガイも、どんな料理を作るにしろ、1度酒蒸ししたほうが、いい出汁が出ます。
水(お湯)の色が青っぽくなれば、しっかりと出汁が出ている証拠です。
味噌汁
材料:
- 下処理済みのナミノコガイ
- 料理酒
- 水
- みそ
料理酒は、貝に回しかけるぐらいでOK。
みそは塩抜きの具合に合わせて調整。(できれば減塩、少な目で。)
作り方:
- 鍋に貝と料理酒を入れ、フタをして強火にかける。(酒蒸しにする。)
- 貝が口を開いたら。水を入れて中火にかける。
- 煮立ったら、火を止め、みそを入れて出来上がり。
- お好みでねぎを入れても。
ボンゴレ・ビアンコ風パスタ
材料:2人分
- オリーブオイル 大さじ2
- ニンニク(刻みでもすりおろしでもOK)チューブのものなら2cmくらい
- タカノツメ(輪切りのもの) お好みの辛さになる量
- 下処理済みのナミノコガイ 200g~
- スパゲティ 200g
- 塩(パスタを茹でるとき用)
- 料理酒(または白ワイン) 大さじ3~4
作り方:
- パスタを茹で始める。塩は多めで、茹で時間を1分くらい短くして固めに仕上げる。
- フライパンにオリーブオイルとニンニクとタカノツメを入れ、焦がさないように弱火でニンニクの香りが出るまで加熱する。
- 強火にしたフライパンに貝と料理酒を入れ、フタをして酒蒸しにする。
- 貝が開いたら、中火にし、パスタとゆで汁をお玉1杯分くらい投入する。
- 1分くらい全体を混ぜ合わせて完成。
- お好みでコショウをどうぞ。
貝ご飯
材料:
- 米 2合
- 下処理済みのナミノコガイ 300g~
- おろししょうが(チューブ) 1.5cmくらい
- 調味料A
- 料理酒 大さじ2
- 薄口しょうゆ 大さじ1.5
- みりん 大さじ1
- 水 200ccくらい
作り方:
- お米を洗って水に浸けておく。
- 鍋(フライパン)に調味料Aとナミノコガイを入れ、フタをして強火にかける。(酒蒸し)
- 十分に貝が開いたら、火を止め、貝の身を殻から外して、皿にとっておく。
- 水を切ったお米と酒蒸しした際に出た出汁、おろししょうがを炊飯器に入れて混ぜ合わせる。
- 身が少し入ってもOK。
- 炊飯器の目盛り(2合)まで、水を足す。
- 普通に炊飯する。
- 炊き上がったら、とっておいた貝の身をご飯の上に載せ、混ぜ合わせる。
最後に
出雲の砂浜には離岸流が発生する場所も多く、海水浴場以外での水泳や水遊びはあまりお勧めできません。
けれど「暑い時期はやっぱり海で涼みたい」という人は、ぜひ夕暮れ前の波打ち際でナミノコガイの潮干狩りをお試しください。
ダイエットに挑戦中という人にも、「ちょっと肝臓の数値が…」という人にも、ナミノコガイの潮干狩り&採った貝を使ったクッキングはおすすめのアクティビティです。
\島根と言えば、「シジミ」でしょうと言う人には/