昔の犯罪捜査ドラマを一気見したときに、偶然見つけた「クロスオーバー」。
今回は、
- ドラマのクロスオーバーとは?
- アメリカのドラマのクロスオーバー
- 日本のドラマのクロスオーバー
- あったら嬉しい制限なしのクロスオーバー
について紹介します。
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クロスオーバー
ドラマの世界の「クロスオーバー」とは、「あるドラマの登場人物が、そのままの役柄で別のドラマに登場すること」です。
たいていは、すでに人気を博しているドラマにあやかって、新番組の宣伝や低迷している番組に視聴者を呼び込むことが目的です。
アメリカのドラマのクロスオーバー(例)
アメリカのドラマの場合、1つの人気作品から複数のスピンオフ(本編から派生した作品)を作ってシリーズ化し、そのオリジナルと、またはスピンオフ同士でクロスオーバーさせることが多いようです。
- 「シカゴシリーズ」(「シカゴ・ファイア」「シカゴP.D.」「シカゴ・メッド」「Chicago Justice」)
- 「NCIS」シリーズ(「NCIS ネイビー犯罪捜査班」「NCIS:LA 極秘潜入捜査班」「NCIS:ニューオリンズ」「NCIS:ハワイ」)
*シリーズ第1作の「NCIS ネイビー犯罪捜査班」は「犯罪捜査官ネイビーファイル」のスピンオフです。 - 「CSIシリーズ」(「CSI 科学捜査班」「CSI マイアミ」「CSI:ニューヨーク」「CSI:サイバー」「CSI:ベガス」)
- 「グレイズアナトミー」x「ステーション19」
「グレイズアナトミー」x「プライベート・プラクティス 迷える大人たち」
*「グレイズアナトミー」には2つのスピンオフがありますが、上述のシリーズとは少し毛色が違います。
また、制作者が同じということで、スピンオフ以外のドラマと、時には放送局の垣根まで超えてクロスオーバーしたエピソードもあります。
- 「HAWAII FIVE-O」x「マクガイバー」
- 「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」x「シカゴP.D.」
「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」x「ホミサイド/殺人捜査課」 - 「CSI 科学捜査班」x「WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!」
- 「アリー・myラブ」x「ザ・プラクティス」
*字幕ではなく、吹替でクロスオーバーのあるドラマを見ると、クロスオーバーの前と後で声優さんが異なっていて、違和感があるかもしれません。
日本のドラマのクロスオーバー(例)
日本では連続ドラマのスピンオフがほとんどないため、クロスオーバーするドラマ同士に親子や兄弟のような関係性はありません。
「十津川警部」シリーズx「名探偵キャサリン」シリーズ
- 「海を渡った愛と殺意」(1997年)
- 2人の異なる作家(西村京太郎と山村美紗)が生み出した人気キャラクター同士がW主演
- 西村京太郎が原作を書き下ろした作品
- 「京友禅の謎〜華の密室殺人事件」(2006年)
- 山村美紗没後十年スペシャル作品
- 「キャサリン」シリーズに十津川警部が出演
1つ残念だったのは、「キャサリン」シリーズで主役の希麻倫子を演じているかたせ梨乃さんが、「十津川警部」シリーズの中で十津川の妻役も演じていたこと。
単発で見ていたら気づかなかったかもしれませんが、イッキ見したせいで「おいおい!」とツッコミを入れてしまいました。
「西村京太郎トラベルミステリー」シリーズx「西村京太郎サスペンス」シリーズ
- 西村京太郎トラベルミステリー第70作スペシャル「十津川警部VS鉄道捜査官・花村乃里子」(2019年)
- 「トラベルミステリー」シリーズの十津川警部&亀井刑事コンビに「サスペンス」シリーズの鉄道捜査官・花村が捜査協力
「警視庁・捜査一課長」シリーズx「未解決の女 警視庁文書捜査官」シリーズ
- 2018~2020年の間に5回以上の相互クロスオーバー
- 「未解決の女」シリーズに「捜査一課長」シリーズの大岩一課長、庶務担当管理官の小山田が出演
- 「捜査一課長」シリーズに「未解決の女」シリーズの特命捜査対策室の古賀室長、第6係の財津係長、矢代刑事が出演
「小京都連続殺人事件」シリーズx「外科医 鳩村周五郎」シリーズ
- 「小京都連続殺人事件×外科医 鳩村周五郎」(2013年)
- 山村美紗原作の「小京都連続殺人事件」シリーズ第3作に、フジテレビ制作(原作なし)の「鳩村周五郎」シリーズの鳩村周五郎が出演
「イチケイのカラス」x「女神(テミス)の教室 リーガル青春白書」
- 「イチケイのカラス スペシャル」(2023年)
- 「映画 イチケイのカラス」の公開を記念して製作されたスペシャルドラマ
- 青南大学法科大学院が舞台の「女神の教室」で教鞭をとっている柊裁判官が、「イチケイ」の主人公入間裁判官の元同僚として「イチケイのカラス」に登場
「監察医 朝顔」シリーズx「イチケイのカラス」
- 「監察医 朝顔」第2シーズン最終話(2021年)
- フジテレビ月9ドラマの次シリーズの番宣
- 「朝顔」シリーズ終了後に放映される「イチケイのカラス」から、井出検事が監察医の朝顔がいる法医学教室を訪問
「遺留捜査」シリーズx「科捜研の女」シリーズ
- 「遺留捜査」第5シーズン最終話2時間スペシャル(2018年)
- 2つのドラマは同じ京都府警を舞台にしているだけでなく、「科捜研の女」シリーズの研究室のセットを「遺留捜査」シリーズが借用して撮影していることもあって実現したクロスオーバー
- 「科捜研の女」シリーズの法医研究員の榊が、「遺留捜査」シリーズの京都府警捜査一課特別捜査対策室に遠征
「科捜研の女」シリーズx「スペシャリスト」
- 「科捜研の女」シリーズ 第15シーズン第8話「スペシャリストたち」(2016年)
- 新ドラマ「スペシャリストたち」の番宣
- 同日の直前の時間帯に放映されている「科捜研の女」シリーズに「スペシャリスト」の宅間刑事が出演
「真犯人フラグ」x「あなたの番です」
- 「真犯人フラグ」特別編(2021年)
- 2つのドラマは製作スタッフが同じ
- 「あなたの番です」に登場したマンション「キウンクエ蔵前」の住人たちが、「真犯人フラグ」の「至上の時」で忘年会を開催
「特命刑事 カクホの女」シリーズx「駐在刑事」シリーズ
- 「特命刑事 カクホの女」第2シーズン最終話(2019年)
- テレビ東京の金曜8時のドラマの次シリーズの番宣
- 「カクホの女」後に放映予定の「駐在刑事」から江波駐在刑事がおとぼけキャラそのままに登場。
その他、「京都迷宮案内」x「京都地検の女」x「おみやさん」といった京都府警関連クロスオーバーなど、まだまだ私が見つけた以外にもたくさんのクロスオーバーがあると思います。
みなさんもドラマをイッキ見するときは、「え、あの人がこんなところに⁉」をぜひ探してみてください。
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オリジナルのクロスオーバー
基本的にドラマのクロスオーバーは、同じ放送局内のドラマ間に限られます。
本来、番組の視聴率を上げることがクロスオーバーの最終目標なので、他局のドラマの視聴率を上げたのでは意味がないからです。
けれど視聴者にそんなことは関係ありません。
例えば、テレビ東京の「孤独のグルメ」に登場する井之頭がTBSの「フェルマーの料理」の舞台である二つ星レストラン「K」で食事をしてもいいし、NHKの「透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記」の由比院長とTBSの「コウノドリ」の鴻鳥先生が産婦人科学会か何かで対面するのもアリなわけです。
あなたなら、どのドラマにどんなキャラクターが出ればおもしろいと思いますか。
あったらいいな その1
昔のドラマをイッキ見していると、今は主役に抜擢されるような大物俳優さんが若かりし頃、セリフもないようなチョイ役を演じているのに出くわします。
そこで思いついたのが、短編ドラマ「エキストラ」(仮題)の制作。
- 「エキストラ」をフィーチャーした1話完結型のドラマを作る。
- 毎話、有名俳優1名が主役のエキストラを演じる。
- その俳優さんを低迷中の番組にエキストラとして送り込む。
- SNS等で「誰(エキストラ)がどのドラマにクロスオーバー出演する予定か」発信する。
- 視聴者は「ウォーリーを探せ」ではないが、低迷中の番組に出てきたエキストラの中から有名俳優を探し出す。
TV局のみなさん、いかがでしょうか。
あったらいいな その2
もはや完全にクロスオーバーの域を超えた新作コラボ番組になってしまいますが、個人的には「ドクターX~外科医・大門未知子」(テレ朝)の大門、「Get Ready!」(TBS)のエース、「ブラック・ジャック」(テレ朝)のブラック・ジャックが同僚として働く医療ドラマ「アンダーグラウンド・ホスピタル」(勝手に命名)があったら、大ヒット間違いなしだと思います。
ただ、「ドクターX」と「ブラック・ジャック」は何とかなりそうでも、「Get Ready!」はTV局が違うので、参加は難しいかな。
小説のクロスオーバー?
ところで、クロスオーバーはドラマを始めとする動画(映画・アニメなど)の世界だけでなく、小説の世界にもあると言えばあります。
ただし、クロスオーバーというより、同一作者がスピンオフ作品や○部作シリーズの中で主役と脇役を交代させただけという場合がほとんどです。
参考例:
- ジェームズ・ロリンズ著:米国国防省機密組織のメンバーが活躍する「シグマフォースシリーズ」x「<シグマフォース外伝>タッカー&ケインシリーズ」
- アイリス・ジョハンセン著:復顔彫刻家を主人公とする「イブ・ダンカンシリーズ 」x「そしてさよならを告げよう」他
- ジェフリー・ディーヴァー著:元科学捜査官が犯罪と戦う「リンカーン・ライムシリーズ」x「スリーピング・ドール」他
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おまけ1:クロスオーバーはサスペンス系に多い?
お気づきかどうかわかりませんが、今回ご紹介したクロスオーバー作品の例は、国内だろうと海外だろうと、ドラマだろうと小説だろうと、9割以上が犯罪捜査に関係したものです。
これは、「クロスオーバーがサスペンス系に多い」ということではなく、あくまでも私がサスペンス系以外の作品にあまり関心がないからです。
そもそも私は海外ミステリー中毒のビブリオマニアです。
\ビブリオマニアって?/
長い間、ミステリーの中でも国内よりは海外、ドラマよりも文庫本で、ミステリー愛を満たしてきました。
ところが約2年ほど前に実家に帰って以来、本を読む時間は格段に増えましたが、その時間を埋めるだけの海外ミステリーが出版されず、禁断症状が出てきました。
そこで、まずは海外ミステリードラマを、続いて日本のミステリードラマを見るようになりました。部屋にテレビがないので、PCで。
おかげで今では文字と映像の両方でミステリーを楽しんでいます。
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おまけ2:同じ俳優の使いすぎ?
ドラマをイッキ見していると、一瞬「クロスオーバー?」と勘違いしてしまいそうになる作品に出くわします。
例えば「コウノトリ」と「MIU404」。
背景こそ病院と警察と異なりますが、綾野剛さんと星野源さんが同僚として登場するため、後から見たほうのドラマの印象が、先に見たほうのドラマの印象にどうしても引きずられてしまいます。
また「MOZU」と「CRISIS公安機動捜査隊特別班」の場合は、
- どちらも公安警察が舞台
- アクション全開の警察官役の西島秀俊さんと、公安警察官の愁いを含んだ妻役の石田ゆり子さんが共通
- 出演している俳優が似ている(気がするのは私だけ?)
- 犯罪者役の池松壮亮さん(「MOZU」)と今井悠貴さん(「CRISIS」)
- 長谷川博己さん(「MOZU」)と眞島秀和さん(「CRISIS」)
と、どちらがどちらのドラマなのかすっかり混乱してしまうくらい似通っています。
制作者側が、視聴率狙いで人気俳優を起用したがるのは当然です。
けれど、シナリオや背景が似通っているところに、とある人気ドラマで一緒だった俳優さんたちをそのまま移植したように一緒に起用するのは考えものだと思います。
なお、「科捜研の女」と「警視庁・捜査一課長」シリーズにも同じ俳優さんたち(内藤剛志さんと金田明夫さん)が登場しますが、こちらはふたりの上下関係が完全に逆転しています。