今回ご紹介するのは、外国語で色の名前を教えるのに役立つ絵本とアクティビティです。
日本の子供たちに英語の色の名前を教えるときには、『Blackie, the Crayon』を使用します。
外国の子供たちに日本語で色の名前を教えるときには、『くれよんのくろくん』を使います。
どんな絵本?
ずっと新品だったクレヨンたち。
「ある日、真っ白な画用紙にクレヨンのきいろくんがちょうちょの絵を描きます。そして次々とお絵描きに誘われるほかの色のクレヨンくんたち。けれどくろくんだけは呼んでもらえません。
楽しそうなみんなの横でしょんぼりしていたくろくんでしたが、シャープペンシルのお兄さんの手助けもあって、最後にはうれしい驚きが待っていました。」
この絵本に描かれているのは、違う個性をもつ一人ひとりを認め合うことの大切さや助けあうことの喜びです。
読み聞かせの後にはきっと、子どもたちみんなが同じようにお絵描きをしたくなるでしょう。
発行日: 2001年10月
大きさ:B5判(19.1×26.6cm)
ページ数:32ページ
対象年齢:3歳以上
どんなアクティビティ?(英語の色を教える場合)
絵本の中でクレヨンくんたちがやったアクティビティを、授業用にアレンジしたものです。読み聞かせの時間を含め、全部で1.5時間くらいかかります。
準備するもの
- クレヨン
- B5サイズくらいの白画用紙(ひとり1枚)
- クリップ(先を伸ばしておく):シャーペンの代わり(ひとり1つ)
遊び方
- 『Blackie, the Crayon』を絵を指さしながら、読み聞かせします。
- 英語が全くわからない子供でも絵からお話の流れがわかるので、日本語は一切使いません。
- 読み聞かせの後、まずお話の最初に出てきたクレヨン(黄色)を見せ、「Yellow」と言います。
- 次に画用紙に「Scrible Scrable(スクリブル・スクラブル)」と言いながら、ちょっとだけぐじゃぐじゃを描き、子どもたちにも同じようにぐじゃぐじゃを描いてもらいます。
- 10秒くらいで「Stop!」と言って、ぐじゃぐじゃを描くのをやめます。
- 次は赤のクレヨンを見せて、「Red」と言います。
- その後、赤と黄色の2本のクレヨンを見せ、「Red」「Yellow」の順に色の名前を繰り返します。
- それから「Red Scrible Scrable」と言って、今度は赤でぐじゃぐじゃを描きます。
- また「Stop」と言ってぐじゃぐじゃ描きを止めたら、次はピンクのクレヨンを見せ、同様に「Pink」と言います。
- 続いて3本のクレヨンを見せ、「Pink」「Red」と言いますが、黄色のクレヨンのところでは、困った顔をして見せます。
- ここで子供のほうから「Yellow」という声が上がればいいのですが、誰も覚えていないようなら、さも今思い出したという顔で「(Oh)Yellow!」と繰り返します。
- 時間に余裕がなければ、教師が「Pink」「Red」「Yellow」と言うだけで、子どもたちへの問いかけは省きます。
- その後「Pink Scrible Scrable」と言って、今度はピンクでぐじゃぐじゃを描き、しばらくしたら「Stop」で止めます。
- 同様に、他の色もどんどん足していきますが、黒は足しません。
- 一通り全部の色を導入したら、今度は教師または子どもが1色選んで、「○○ Scrible Scrable」「Stop」をします。
- クレヨンは見せずに、まず色の名前だけ言って、子どもたちが正しい色のクレヨンを選べるかどうか見ます。
- 画用紙に白い部分がなくなるまで「○○ Scrible Scrable」「Stop」を繰り返します。
- 白い部分がなくなったところで、黒いクレヨンを見せて、「Black」と言い、「Let’s scrible scrable all over!」と言って、画用紙を黒1色に塗りつぶします。
- 真っ黒になったら、先を伸ばしたクリップで好きな絵を描きます。
最後に
アクティビティ自体は、私が米軍基地内の幼稚園で行ったものですが、基本的には絵本の内容通りなので、学校でなくてもおうちで簡単にできます。
ちなみに日本語で色を教える場合には、『くれよんのくろくん』を読み聞かせ、「Scrible Scrable」の代わりに「ぐじゃぐじゃ」と言っていました。
これより前の授業で「ぐじゃぐじゃ」という言葉も「ぐじゃぐじゃはダメ!」ということも教えていたので、子どもたちはぐじゃぐじゃが許されるこのアクティビティが大好きでした。
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