ケンタ風ビスケット…。いろんなレシピを試したものの、
- あまり膨らまなかった
- きれいに腹割れしなかった
- 食感が違った
と、がっかりしたことはありませんか。
今回は、KFCビスケットの特徴、様々なケンタ風ビスケットのレシピ、失敗の原因を調べた結果、理論上KFCビスケットに食感・膨らみ・腹割れが極似するはずのレシピを考案し、それをもとに実際にビスケットを作った結果を紹介します。
KFCビスケットの特徴とは?
KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)は、世界的に有名なアメリカ発のフライドチキンのファストフードチェーンです。
チキンの専門店だけに11種類のハーブとスパイスを効かせたオリジナルチキンが一番人気なのは当然のことながら、常に人気メニューランキングの上位をにぎわせているサイドメニューのビスケット。
アメリカのKFCでは伝統的なバターミルクビスケット(クイックブレッド)が提供されていますが、日本では日本人の好みに合わせて独自に開発されたオリジナルレシピのビスケットが販売されています。
日本のKFCビスケットの特徴
- 食感:
- 表面は「サクサク」、中は「しっとり・ふんわり・もっちり」
- パン(「もっちり」感)とパイ(薄い生地が何層にも重なった「ふんわり」した軽さ)とマフィン(「しっとり」した柔らかさ)を足して3で割ったような口当たり
- 表面は「サクサク」、中は「しっとり・ふんわり・もっちり」
- 味:甘みに加え、塩気のある味わい
- 形:ドーナツ型
ケンタ風ビスケットのレシピいろいろ
一口に「ケンタ風ビスケットのレシピ」と言っても、
- 生地の材料
- 成型の仕方
- 焼き上げる温度
まで実に様々です。また、
- コスト(予算)
- 道具
- 作業時間(計量から焼き上がりまで)
- 後片付け
など、作り手の事情もレシピに反映されています。
材料
ビスケットの基本の材料は「小麦粉+膨張剤+油脂+水分」で、そこにほのかな甘味と塩味が加わっています。
それぞれに異なった特徴があるので、ほんのちょっとレシピが違うだけでも出来上がりに大きく影響します。
小麦粉
- 薄力粉:外は「サクサク」、中は「しっとり」とした食感
- 強力粉:外は「カリッとサクサク」、中は「しっとり・もっちり」。層のある仕上がりで食べ応えあり
- 薄力粉と強力粉のブレンド:混ぜる割合で食感が変わる
- ホットケーキミックス(薄力粉+ベーキングパウダー+砂糖):計量の手間が省ける
- 一部をコーンスターチ:「サクサク・ホロホロ」食感がアップ
*アメリカのレシピでは、セルフライジングフラワーを使うことが多い。
膨張剤
- ベーキングパウダー
- 追加でベーキングソーダ:分厚く「ふっくら」とした食感。表面に焼き色が付く
- 追加でドライイースト:パンのように「ふんわり・もっちり」とした食感
油脂
- (有塩・無塩・発酵)バター:豊かな風味。「サクサク・しっとり」食感。とけやすい。高価
- マーガリン:生地をふんわり軽く焼き上げる。低温でも柔らかい。コストは低め
- 植物油:外は「サクサク」、中は「しっとり・ホロホロ」。ヘルシー。生地をまとめるのが楽。単価がいちばん低い
- ショートニング:パイ生地のような薄い層ができやすい。外は「サクサク」、中は「ふんわり」の軽い食感。時間がたっても軽い食感のまま。溶けにくい。価格は中程度
- (プレーン・飲む)ヨーグルト:ザクザク感とふんわりした口当たり。層ができやすくなる。表面に焼き色が付きやすい。低価格。
- 生クリーム:油脂と水分を1つで賄える。生地をまとめるのが楽。外は「サクサク」、中は「しっとり」。時間がたってもパサつきにくい。バターに次いで高価
水分
- 牛乳:さくっとしっかりした生地。表面に焼き色が付きやすい
- 水:ふんわりやわらかい生地
- 追加でスキムミルク(粉状):風味がよくなる。表面に焼き色が付く
- (ホットケーキミックスを使う場合)炭酸水:外は「サクサク」、中は「ふんわり」
甘味
- 砂糖(グラニュー糖・上白糖・きび砂糖など):ほんのりした甘さ
- はちみつ:しっとり感。焦げやすい
生地の成形
生地の成型は、生地を混ぜる、まとめる、伸ばす、重ねる・折りたたむなどの作業を経て、最後に形成するまでの全工程を指します。
混ぜる・まとめる
粉類(小麦粉と膨張剤)を均等に混ぜたところに、油脂を加えてそぼろ状になるように混ぜ、最後に水分を加えて生地をまとめますが、
- フードプロセッサー:短時間で均一に混ざる。バターを使う場合、とけにくい。手が汚れない
- スケッパー:バターを使う場合、とけにくい。手が汚れない。切るように混ぜるため、きれいな層が作りやすい
- 手:手の感覚で生地の状態が把握しやすい。バターを使う場合、とけやすい。生地を練ってしまう可能性がある
と使う道具は人それぞれです。
伸ばす・重ねる・折りたたむ
ペストリーボード上に打ち粉をしたのち、生地を伸ばす際は
- めん棒:厚さが均一になる。バターを使う場合、とけにくい。手が汚れない
を使用し、続いて重ねたり、折りたたむときには
- スケッパー:バターを使う場合、とけにくい。手が汚れない
を使うのが主流ですが、生地の温度と練りすぎに注意しながら手を使うレシピもあります。
その場合、手を使うデメリットを減らすために、打ち粉をしたクッキングシートを利用して作業を行う人もいます。
形成する
形成には
- クッキーカッターやセルクル(型抜き):生地の断面が潰れず、オーブンで焼いた時に側面がまっすぐ綺麗に膨らんで、しっかり層ができる
- コップ(型抜き):(円形なので)焼きムラが防げる。縁が厚いものを使ったり、押し切るように型抜きすると、生地の断面が潰れて膨らまないリスクがある
- スケッパー・包丁(切り取り):生地の断面を潰さず、きれいな層と「サクサク」食感が引き出せる
が使用されます。
設定温度
ビスケットを焼く時は、通常オーブンの下段を使用します。
予熱が必須:高温の中に冷たい生地を入れることで、バターが流れ出るのを防ぎ、層ができる
設定温度は180℃か200℃、15~20分くらい焼くレシピがほとんどです。
*アメリカのレシピには210℃もあります。
*トースターで焼くこともできますが、上にアルミホイルをかけないと焦げます。
作業時間(計量から焼き上がりまで)
バターやマーガリンを使わない場合:作業開始とともに余熱を始めることで焼き上がりまで30分もかからない
バターやマーガリンを使う場合:途中冷蔵庫で生地を冷やす時間が加わるので、作業時間は1時間以上。ただし、冷凍庫に生地を入れれば、作業時間を1時間以内に収めることも可能。
ビスケットがケンタ風に膨らまない・きれいに腹割れしない原因は?
ビスケットがケンタ風に膨らまない・高さが出ない・片側だけ腹割れする・1つ1つの層が厚いなどきれいに、またはほとんど腹割れしない原因は、たいてい次のどれかです。
- ベーキングパウダーが古かった
- 生地を練りすぎてグルテンが生成された
- (バターやマーガリンを使ったレシピで)焼く直前に油脂がしっかり冷えていなかった
- 生地を薄く、または厚く伸ばしすぎた
- 切れ味の悪いカッターを使うか、押したりひねったりして生地の断面がくっついた
- オーブンの予熱が不十分だった、または焼く際の温度が低すぎた
- 水分量が多すぎ(横に広がる)、または少なすぎ(生地が重く固い)
究極のはず・・のケンタ風ビスケットのレシピ(最終決定版)
上述した材料や作り方のメリット・デメリットを考慮に入れ、何度か試作を繰り返した結果、ずぼらな私でも割と短時間で食感・膨らみ・腹割れがケンタ風になるはずのビスケットのレシピを編み出しました。
なお、紹介している写真は、最後の試作を作ったときのものなので、説明と一致していないものがあります。(どれだけKFCのビスケットが好きでも、短期間に何度も試作したせいで、今は最終決定版のレシピでビスケットを作る気にはなれません。なので、将来的に写真だけ入れ替えます。)
材料:
- ホットケーキミックス: 200g
- 強力粉: 30g+打ち子粉用
- ベーキングパウダー(BP): 小さじ1(約4g)
- バター: 45g
- 牛乳: 65ml
- 飲むヨーグルト: 35ml
- 塩:ひとつまみ
道具類:
- めん棒
- チーズグレーターやピーラーなどバターを細かくするもの
- ゴムベラやスケッパーなど生地を混ぜるもの
- セルクル・包丁など生地を型抜き・または切り分けるもの
- フライ返しなど生地を天板に移すもの
- クッキングシート
作り方(4~6個分):作り始めから焼き上がりまで冷却時間を入れて約40分

0.バターを冷やしておく
思い立ったらすぐに作れるように、バターを冷凍庫に常備しておくといい。

1.粉等を混ぜる
粉類(ホケミ、強力粉、BP)と塩をすべてボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
*泡だて器を使ったほうがいいが、洗い物が少ないほうがもっといいので、私はゴムベラ使用(特に問題なし)。

2.油脂と粉等を混ぜる
1に冷たく固まったバターを下ろし入れ、ゴムベラで切るようにさっくりと混ぜる。
*バターはできるだけ直接手で触らない。
*下ろしに使う道具に粉を付けるとバターが付きにくい。

3.水分を加えて切るように混ぜる
冷たい牛乳+ヨーグルト(あらかじめ混ぜておいたもの)を一度に加え、ゴムベラで切るようにさっくりと混ぜる。
*完全に一塊にせず、粉っぽさが残るくらいの状態でストップする。絶対にこねない。

4.重ねて層を作る
クッキングシートの上に手でシート全体に薄くすり込むように強力粉を広げ、その上に生地を移す。上にもを打ち粉を薄くすり込んだクッキングシートをかぶせ、その上からめん棒で1~1.5cmの厚さに押し伸ばす。
生地を半分に切って重ねる。
これを5~6回繰り返し、最後は生地が2.5~3cmくらいの厚さになるようにする。
*側面に触らない。
*くっつくようなら、少量の打ち粉を追加する。
5.予熱
オーブンを200℃で予熱する。
5.形成と冷却(余熱と同時進行)

切り分けの場合
クッキングシートに載せた生地を10分程度冷凍庫で冷やしたのち、取り出した生地の4つの側面をまっすぐ1度にストンと切る。その後、好みの大きさにまたまっすぐ1度にストンと切る。
ドーナツ型に型抜きする場合
生地に型をまっすぐ1度にストンと下ろして型抜きし、個々に小さく切ったクッキングシートを下に敷いたまま10分程度冷凍庫で冷やす。
6.焼き上げ
クッキングシートを敷いた天板に形成した生地を載せ、200℃のオーブン(中段がベストだが、なければ下段)で14分〜18分(切り分け)、または11~13分(型抜き)を目安に、表面がほんのりきつね色になるくらいまで焼き上げる。
*焼きすぎ注意
*冷却までずっと使ったクッキングシートをそのまま利用してOK。
型抜きした残りや切り取った端っこは丸めず、バラバラのままクッキングシートの端っこに並べて、一緒にオーブンで焼く。
究極のケンタ風ビスケットは作れたのか?


ここでは、最終決定版ではなく、最期の試作に使ったレシピで作ったビスケットの出来上がりについて紹介します。
- 膨らみ
- 基本的に高さは焼く前の約1.5倍になった
- 腹割れ
- 薄い層が何層もできた
- 斜めに腹割れした
- 改善前はステップ4のいちばん最初に4つの側面を切り、切り取った端の部分を長方形の上に載せて、押し伸ばす・重ねる・切るを繰り返していたため、中の生地の密度が均一ではなかった。

- 改善前はステップ4のいちばん最初に4つの側面を切り、切り取った端の部分を長方形の上に載せて、押し伸ばす・重ねる・切るを繰り返していたため、中の生地の密度が均一ではなかった。
- 食感
- 焼きすぎ:焼く前のサイズ3.5x4.5(縦x横)に対し、焼き時間16分は長すぎた。
- 層にもっちり感がなく、ほろほろとほどける感じだった。
- 改善前はバター(25g)に加え、グルテンを断ち切ってしまうショートニング(20g)を使っていた。
- 強力粉が少なかった。
- その他
- リッチさが足りなかった
- 改善前はバターに加え、ショートニングを使っていた。(バター25g・ショートニング20gの割合)
- リッチさが足りなかった
まとめ
今回は、
- KFCビスケットの特徴
- 様々なケンタ風ビスケットのレシピ
- ケンタ風ビスケットが再現できない(失敗する)原因
- KFCビスケットに食感・膨らみ・腹割れが極似するはずのレシピ
- 実際にビスケットを作った結果
を紹介しました。
既存のケンタ風ビスケットのレシピに満足していない人は、ぜひこの記事で紹介した「究極のはずのケンタ風ビスケットのレシピ(最終決定版)」をお試しください。
それでもやっぱり違うという人は、この記事を参考にぜひオリジナルのレシピを開発してみてください。


