WordPressのプラグインは、すでにサイトに備わっている機能を拡張したり、新たな機能を追加するためのツールです。
基本どのテーマにも導入できますが、テーマの機能を理解しないまま、おすすめだからというだけで利用すると、サイトの機能アップどころか、不具合の原因になりかねません。
今回の記事では、おすすめの無料プラグインの中でも、Cocoonテーマを使っている人向けに
- テーマの開発者がお勧めしないプラグイン
- インストールしない・削除したほうがいいプラグイン
- 不要なプラグイン
- 設定の調整が必須のプラグイン
を紹介します。
加えて、使用しているテーマにかかわらず、
- アドセンスやアフィリエイトを導入しているなら、利用規約違反になりかねないプラグイン
- プラグインを削除する際の注意点
についても説明します。
Cocoon使用者にとって要注意のプラグイン

テーマの開発者がお勧めしないプラグイン
Cocoonは、内部SEO対策、レスポンシブ対応、表示速度の高速化、収益化といった様々な機能を搭載している優れもののテーマです。
そのため、同様の機能を強化するためのプラグインの中には、インストール・有効化すると、機能が競合し、不具合の原因になるものがあります。
中には、Cocoonに限らず、WordPressのアップデートに伴って、どのテーマを使っていても導入する必要がなくなったプラグインもあります。
CocoonのHPには、そういった要注意のプラグインがまとめてあります。
- ソースコード圧縮系のプラグイン
- SEOプラグイン
- ブロックプラグイン
- Lazy Load系のプラグイン
- インストール不要のプラグイン
今後Cocoonを利用する予定の人、 現在Cocoonを利用中の人は、1度「Cocoonを利用する上でお勧めしないプラグインまとめ」に目を通してみてください。
インストールしない・削除したほうがいいプラグイン
Cocoonフォーラムに寄せられた相談内容に目を通すと、テーマと非常に相性が悪く、しょっちゅう不具合の原因になっているプラグインがあります。
All in One SEO Pack
All in One SEO Packは、サイトのSEO対策用プラグインです。
タイトルタグ・メタディスクリプション・メタキーワードの設定、XMLサイトマップの生成と送信、アナリティクスやサーチコンソールとの連携、SNSの設定など、面倒なSEO対策が一括して簡単に行えるため、ブログ初心者が飛びつきたくなるプラグインです。
けれど、同様の機能を持つCocoonとは相いれません。
サイトに何らかの不具合が生じた時、「All in One SEO Packを無効化したら、問題が解決した」という話がとても多いです。
かく言う私も
- アイキャッチ画像が消えた
- コンテンツが二重表示された
と、2度痛い目に合いました。
始めからインストールしないのがいちばんですが、すでに使用中の人は削除して、All in One SEO Packに頼っていた機能をCocoonで設定し直すのがおすすめです。
Classic Editor
WordPressの標準エディタは従来クラシックエディタでしたが、バージョン5.0以降、ブロックエディタに取って代わられました。
Classic Editorは、ブロックエディタとクラシックエディタを切り替え、従来の形式の投稿画面を使用するためのプラグインです。
ただ、Cocoonでは簡単にエディター設定を切り替えられるため、必要のないプラグインでもあります。
さらに、近い将来Classic Editorは使えなくなる、サポートが終了してしまうとも言われています。
入れるかどうか迷っている人は入れない、入れている人は早めに削除したほうがいいでしょう。
削除した後もなお悩みの種になるClassic Editor
Classic Editorを削除したのち、Cocoon設定で「Gutenburgエディターを有効にする」にチェックを入れていると、クラシックエディタで作成した記事の編集に不具合が出るリスクがあります。
VK All in One Expansion Unit
VK All in One Expansion Unitは、SEO機能、SNS機能、ウィジェット機能の強化、カスタム投稿タイプの作成など、よく使う便利な機能が満載の統合型プラグインです。
Lightningテーマの開発者がテーマの機能拡張用に作ったプラグインなので、言わばLightningとセットで使うのが大前提という感じです。(Lightningテーマで作った「まなまなSalon-学びと憩いの場-」では必須のプラグインとして使っています。)
けれど、多機能統合型のプラグインは、多機能を搭載しているCocoonにとって悩みの種でしかありません。
インストールしない、使用中の場合は削除して、Cocoon設定で必要な機能を補充することをおすすめします。
不要なプラグイン
プラグインは、入れすぎると表示速度の低下やセキュリティリスクの増加を招くリスクがあるため、少なければ少ないにこしたことはありません。
以前は必須だったものの、WordPressやテーマのアップデートによって今では不要になったプラグインを使い続けるのは考えものだと思いませんか。
Advanced Editor Tools(旧TinyMCE Advanced)
Advanced Editor Toolsは、元来クラシックエディタ向けに開発された、エディター機能を強化するためのプラグインです。
時代がブロックエディタに傾いている今、インストールする意味も残しておく意味もありません。
Ads txt Manager
Ads txt Managerはads.txt ファイル(不正なサプライヤーによる詐欺を防ぐためのファイル)の作成と管理を簡単にしてくれるプラグインです。
おそらくたくさんの人が、Googleアドセンスを始める際、ads.txtが簡単に設置できるからと、インストールしたのではないでしょうか。
けれど、2025年現在、Cocoonでは「広告」タブ(「Cocoon設定」内)で「アドセンス設定」「Ads txtの編集」ができるようになっています。
なので、こちらもインストールしない、削除する(Cocoonでの再設定をお忘れなく!)で問題ありません。
設定調整が必須のプラグイン
基本的には不要でも、テーマまたはプラグインの設定次第で、競合するのではなく、機能強化が期待できそうなプラグインがあります。
WP Fastest Cache
WP Fastest Cacheは、キャッシュを管理することでサイトの表示速度を高速化させるためのプラグインです。ソースコードの圧縮機能もあり、完全にテーマと機能がかぶっています。
もしCocoonの高速化設定だけで表示速度が十分早ければ、入れる必要のないプラグインです。
けれど、サーバー側のPHP処理が遅いせいで表示速度が遅くなっている場合には、むしろ導入したいプラグインになります。
ただ、機能がかぶっている以上、テーマとプラグインの両方でキャッシュの削除やコードソース(HTML・CSS・JS)の圧縮をすべてOnにしてしまうと、不具合が起こります。(厳密に言うと、サーバーの高速化設定も無関係ではありません。)
テーマとプラグイン(とサーバー)の高速化設定は、ダブリがないようにOn-Offを設定してください。
EWWW Image Optimizer
EWWW Image Optimizerは画像を最適化するためのプラグインで、アップロードされた画像を自動的に圧縮(圧縮率の高いWebpへの変換も可能)し、サイトの表示速度を上げるのに役立ちます。
Cocoonとは「遅滞読み込み(Lasy Load)」で競合しますが、テーマかプラグインのどちらかの「遅滞読み込み」をOffにすれば、問題なく併用できます。
WordPressではバージョン5.5以降、デフォルトでLazy Load機能が実装されたので、Onにしてあったほうの「遅滞読み込み」もOffにしましょう。
なお、画像の圧縮(WebPへの変換を含む)は、アプリやオンラインツールでも可能です。
「だったら、あえてEWWW Image Optimizerを使う必要はないのでは?」と思われるかもしれません。
けれど、EWWW Image Optimizerはアプリやツールで圧縮した画像をさらに最適化(圧縮)してくれます。(すべての画像に対してではありませんし、最適化もわずかではありますが…。)
全テーマで要注意のプラグイン

Akismet Anti-spam
Akismet Anti-spamは、スパムコメントやスパムメール対策用のプラグインです。
WordPressにデフォルトで搭載され、個人ブロガーには無料版も用意されているので、世界中で「WordPressのおすすめプラグインリスト」の常連となっています。
ただ、無料版を使うには、利用規約の中にある3つの項目にチェックを入れなければなりません。
- 自サイトには広告を貼っていません。
- 自サイトで商品やサービスを販売していません。
- 自サイトでビジネスのプロモーションはしていません。
つまり、アフィリエイトやアドセンスをしている人がAkismet Personal(無料版)を使うと規約違反になるということです。
Akismet Anti-spamは、「将来的にブログで収益を上げたい」人は始めから有効化しない、「すでに広告を貼っている」人は有料版に切り替えるか、すぐに削除したほうがいいプラグインです。
代替案としては、
- コメント機能を使わない
- Googleの無料ツール「reCAPTCHA v3」の導入
がおすすめです。
プラグインを削除する際の注意点
プラグインは管理画面から簡単に削除することができます。
- ステップ1管理画面で「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」と進む。
- ラベル削除したいプラグインの下にある「無効化」をクリック。
- ラベル新たに出てきた「削除」をクリック。
ただし、無効化せずに削除すると、サイト運用に影響を及ぼす可能性があるため、必ず1度無効化してから削除するようにしましょう。
また、削除するプラグインが担っていた機能を確認し、必要に応じてその機能を補う別の対策を講じましょう。
まとめ
今回は、おすすめの無料プラグインの中でも、Cocoonテーマを使っている人向けに、
- テーマの開発者が勧めていないプラグイン
- ソースコード圧縮系のプラグイン
- SEOプラグイン
- ブロックプラグイン
- Lazy Load系のプラグイン
- インストール不要のプラグイン
- インストールしない・削除したほうがいいプラグイン
- All in One SEO Pack
- Classic Editor
- VK All in One Expansion Unit
- 不要なプラグイン
- Advanced Editor Tools(旧TinyMCE Advanced)
- Ads txt Manager
- 設定の調整が必須のプラグイン
- WP Fastest Cache
- EWWW Image Optimizer
テーマにかかわらず、
- 収益化ブログだと利用規約違反になりかねないプラグイン
- Akismet Anti-spam
- プラグインを削除する際の注意点
を紹介しました。
- 違うテーマを利用している人の「おすすめ」リストは参考にしない
- 同じテーマを利用している人の「おすすめしない」プラグインリストをチェックする
- プラグインの中にはテーマと機能がかぶっても、どちらかの設定を調整することで競合せずに機能を強化できるものがある
- 収益化ブログではAkimet Anti-spamの無料版は使えない
- 一旦「無効化」したあとで「削除」する
- 削除するプラグインに頼っていた機能をカバーする他の方法を用意する
WordPressのプラグインは、サイトの機能強化に欠かせないものです。
けれど、入れすぎると、ただでさえ表示速度の低下やセキュリティリスクの増加を招きかねません。
今は何の問題がなくても、今後のWordPress・プラグイン・テーマのアップデート次第で競合するようになったり、規約違反になる可能性もあります。
特にしょっちゅう不具合に悩まされている人は、使用しているテーマに備わっている機能をしっかり把握し、使用中のプラグインが本当に必要かどうか、1度きちんと見直してみることをおすすめします。