
あぁもったいない。
せっかく今年は梅がいっぱいなったのに、昨日の風でかなり落ちてしまって。放っておいて肥やしにしてもいいけど、何とか食べられないもんかねぇ?
あります!それもコレステロール高めで小デブの人にピッタリのものが!
今回は、強風で落ちてしまった青くてかたい梅(小梅を含む)で梅エキスを作る方法(失敗から学んだおすすめポイント付き)と、ぽっちゃりさんに嬉しい梅エキスの主要成分&期待できる健康成分について紹介します。
梅エキスの作り方

材料:拾ってきた梅(3~3.5cm)・小梅(1~1.5cm) 10リットルサイズのバケツに半分くらい
*調理する際、傷んでいる部分は切り取り、色が付いているものは表面の固い部分だけ使ったので、実質的にはバケツの5分の2くらい分しか使っていません。
1.梅をきれいに洗う。
2.つまようじ等を使ってヘタを取る。
3.アク抜きのために、一晩水に浸けておく。
ここでのアク抜きはしなくてもOKですが、苦みをできる限り取り除きたいなら、断然やるべき。
4.梅を水から上げ、傷んだ部分を切り取る。
5.梅の実を種からはがす。
方法1:梅をすりおろす:面倒くさくて5個でやめました。
方法2:袋に入れて棒でたたく:力加減が難しく、種まで割れてしまうとそれを身からはがすのに余計な時間がかかるので、これも30個ほどでやめました。
方法3:梅に包丁を入れ、実を削ぐ(はがす?)ように切り取り、種に残った実もこそげ取りました。終えるまでに2時間ほどかかり、指先がふやけました。
この時点で、果肉の量はボール2杯分になりました。
6.切り取った実をミキサーで刻む。
*ステップ5で方法1を選べば、この工程は必要ありません。
7.刻まれた果肉を少しずつ布巾等で包み、ぞうきんを絞るようにジュース(見た目は泡のたった抹茶みたい)を絞り出す。
- 果肉がジュースに混ざらないように注意!
- 種の中身が混ざらないように注意!
- ペーパータオルは破れて使い物になりません。
この時点で(ジュースの)量はボールの5分の3程度にまで減りました。
ジュースを絞った後の搾りかすの活用法
- たい肥
- 梅みそ
- 搾りかす300gに対し、みそ大さじ1、酒大さじ1/2、砂糖150g、水10CCを加え、ホーロー鍋か土鍋でじっくり煮詰める。焦げないように、火力は弱火。常にへらやしゃもじでかき混ぜること。
- 梅ジャム
- 搾りかす300g、砂糖100g~(好みの甘さに調整)、水500㏄をホーロー鍋か土鍋に入れて、弱火でじっくり煮詰める。アクを取り、焦げないように、常にへらやしゃもじでかき混ぜること。
8.ホーロー鍋か土鍋にジュースを移し、弱めの中火で黒くとろりとするまで、1時間半~2時間煮詰める。途中、頻繁にアクを取り、色が茶色く変わったあたりからは、焦げないようにしゃもじやへらなどで縁や底をこすりながら混ぜる。
- 金属製の鍋は、梅の酸によって溶け、有害な成分が梅エキスに混ざるので、避けるべき。ただし、ステンレスなら傷む心配がほぼないのでOK。
- しっかりアクを取らないと、苦みが残ります。
- 果肉が入ってしまうと、どれだけ煮詰めても黒くなりません。
9.熱いうちに煮沸消毒済みの瓶にエキスを入れる。
通常なら冷暗所で1年以上保存できますが、煮沸消毒がいい加減だと、カビが生える原因になります。
出来上がり

ご覧の通り、散々時間をかけてもたったこれだけしかできません。貧乏性の私が黒くなる前、とろみが出た時点で煮詰めるのをやめていなければ、もっと少なかったと思います。
ただ、超すっぱいうえにアク取りが不十分だと苦いので、1度に消費するのはかなり少なめです。

もったいないんで、エキス(茶さじ1杯程度)がくっついていた鍋に水300ccほどとはちみつ大さじ半分程度を入れ、煮溶かして飲みましたが、十分に梅エキスを味わえました。
あと、梅エキス+ヨーグルト+はちみつの組み合わせもおすすめです。
梅エキスを摂取する際の注意点
- 1日最大でも小さじ1杯まで。大量摂取は胃の粘膜を傷つける可能性あり
- 梅エキスをお湯などで割ったドリンクを長時間かけて飲むと、酸によって歯が溶ける可能性あり。飲んだ後、うがいをするのは効果的だが、歯磨きは逆効果
梅エキスの主要成分と期待できる効能・健康効果

「梅は三毒を断つ」という言い伝えを知っていますか。
昔から梅には
- 水毒:体内の水分バランスの乱れ
- 血毒:血液の汚れ、血流の悪さ
- 食毒:食中毒や消化不良
の3つの毒を身体から排除する効果があると言われてきました。
科学的な研究が進んだ今では、どんな成分がどんな健康効果を生み出すかまで明らかになっています。
ミネラル類
梅は、「1日1個で医者いらず」と言われるりんごの2倍のカリウム、6倍の鉄分が含まれています。
期待できる効能・健康効果
カリウム:利尿効果、むくみの改善、血圧の低下、高血圧・脳卒中予防
鉄分:貧血予防・改善
有機酸
梅のいちばんの特徴であるすっぱさは有機酸に由来します。
熟していない青梅には、有機酸の中でもクエン酸、リンゴ酸、シュウ酸が豊富に含まれていますが、熟してしまうと、大部分をクエン酸が占めるようになります。
期待できる効能・健康効果
クエン酸:疲労回復、美肌効果、血行促進、消化促進、熱中症・夏バテ予防、殺菌作用、食中毒予防、悪玉菌の増殖抑制
リンゴ酸:疲労回復、炎症の緩和、血糖値の上昇抑制、美肌効果、歯の黄ばみ防止
乳酸菌:善玉菌の増殖、腸内環境の改善
有機酸には、ミネラルを包み込み、水に溶けやすくすることで、栄養素の吸収や利用を促進するキレート作用があります。
ただし、シュウ酸(アクのもと)には、カルシウムや鉄分といったミネラルの吸収を阻害するという弊害があります。
つまり、カリウムや鉄分の健康効果を逃さないためには、梅エキスを作る際にしっかりとアクを取ることが重要になります。
ムメフラール
ムメフラールは、梅エキスを加熱濃縮するときに生成される貴重な成分で、生の梅、梅干し、梅酒には一切含まれていません。
期待できる効能・健康効果
血流改善(血液サラサラ効果)、生活習慣病予防、腸内環境の改善
消化酵素
梅エキスには、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼといった消化酵素が含まれており、炭水化物、たんぱく質、脂肪の消化をサポートする働きがあります。
期待できる効能・健康効果
血糖値・血中中性脂肪・コレステロール値の低下
ポリフェノール
梅エキスには、フラボノイドやクマリン誘導体といったポリフェノールも多く含まれています。
期待できる効能・健康効果
フラボノイド:抗動脈硬化・抗ガン作用、抗酸化作用、抗炎症作用、血管の拡張作用、生活習慣病のリスク軽減、美肌効果、認知症・骨粗鬆症予防
クマリン誘導体:抗菌・抗凝結・抗炎症作用、鎮痛効果、心血管疾患予防、リラックス効果
アミグダリン
梅にはもう1つ「梅は食うとも核食うな中に天神寝てござる」(「梅の実を食べても種を食べてはいけない」の意味)という言い伝えがあります。
これは梅の実(および青梅の果肉)にアミダグリンと呼ばれるシアン配糖体が含まれており、大量に摂取すると中毒を起こす可能性があるからです。
ただ、アミダグリンは加熱することでほぼ消失します。

いろいろな健康効果がありますが、小デブの私が実感したのは腸内環境の改善と疲労回復効果です。
これまで便秘に悩まされていたわけではありませんが、明らかに前よりも頻繁にお通じがあるようになりました。飲み続ければ、宿便分の体重が減ってポッコリお腹にサヨナラできるかも。
あと、疲れがたまりにくくなったのも事実です。
まとめ
今回は、強風で落ちてしまった青くてかたい梅(小梅を含む)で梅エキスを作る方法(失敗から学んだおすすめポイント付き)と、梅エキスの成分と期待できる健康成分について紹介しました。
我が家と同じように、せっかくなった梅を強風で台無しにされたみなさん、梅は梅干しか梅酒づくりにしか使ったことがないというみなさん、
今年は趣向を変えて、青梅だからこその梅エキスを作ってみませんか。
\「自宅に梅の木なんてないけど、梅エキスの恩恵にあずかりたい!」という人には/