「失敗は成功のもと」はトーマス・エジソンの数ある名言の一つと言われています。
難聴、小学校を3か月で退学、会社を設立するも社長の座を追われ、実験は失敗の連続、特許関連の訴訟では惨敗…。
一見するとエジソンの人生は、次から次へと現れる障壁だらけだったように思えます。
けれどそんな逆境にも挫けず、エジソンは最終的に世界の発明王と呼ばれるまでに昇りつめます。
いったいどうやってそんな偉業を成し遂げることができたのでしょうか。
今回はエジソンの名言をひもときながら、誰もがする失敗を成功のもとにする方法についてお話します。
エジソンの名言:失敗と成功
エジソンは「失敗」と「成功」について、数多くの名言を残しています。
- 失敗すればするほど、私たちは成功に近づいている。
- 失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう。
- 「失敗?」それでうまくいかないことがわかったのなら成功だ。
- 失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いなさい。
- 私は失望などしない。なぜならどんな失敗も新たな一歩だからだ。
- 成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないことだ。
- 失敗したからと言って決して失望してはいけない。そこから学び、チャレンジし続けなさい。
- 私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ。
- 私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するための最も確実な方法は、常にもう一度だけ試してみることだ。
- 人生に失敗した人の多くは、諦めたときに自分がどれほど成功に近づいていたかに気づかなかった人たちだ。
- 成功できる人というのは、「思い通りに行かない事が起きるのはあたりまえだ」とわかった上で挑戦している。
- 成功しない人がいたとしたら、それは考えることと努力すること、この二つをやらないからではないだろうか。
- もちろん、生まれつきの能力の問題をまったく無視することはできない。それでもやはり、これはおまけみたいなものだ。絶え間なく、粘り強く努力する。これこそが何よりも重要な資質であり、成功の要といえる。
- 成功に不可欠なのは肉体的にも精神的にも疲労を溜めずに、一つの問題にエネルギーを注ぎ込める能力である。
エジソンの「失敗と成功」観
「成功の反対は?」ときかれれば、「失敗」と答える人がほとんどでしょう。辞書にもそう書かれていますし、テストならそれで正解です。
けれどエジソンの考えは違います。
失敗は次に進むための第一歩であり、学ぶための機会です。また、成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないことだとも言っています。
もちろん、挑戦したからといって必ずしも成功するとは限りません。もしかすると成功より失敗することの方が多いかもしれません。
けれどエジソンに言わせると、学びがある限り、失敗は成功になります。
一説によると、エジソンは白熱電球に最適なフィラメントを見つけるためだけに、1万回以上もの実験をしたと言われています。
「思い通りに行かない事が起きるのはあたりまえだ」という前提、一つの問題にエネルギーを注ぎ込める能力と絶え間なく、粘り強く努力(挑戦)することなしにはあり得ない回数です。
それを「ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけ」と言えるのですから、エジソンという人は間違いなくポジティブシンカー(物事を前向きにとらえる人)です。
失望や諦めは成功への道を阻むものでしかありません。
ポジティブ思考とネガティブ思考については「対人関係を改善するには|悩まされる人と悩まされない人って何が違うの?」を参照ください。
さらにエジソンは幼いころから好奇心と探求心の塊のような人でもありました。小学校に行くのをやめたのも、入学当初からあらゆる授業で「なぜ?」を連発し、教師を怒らせたからだそうです。
自宅学習(登校拒否?)をすることになったエジソンは、百科事典や歴史書、化学実験に関する本や世界の名作などを読み漁ります。
疑問を抱いたり、納得いかないことがあれば元教師の母親と議論し、疑問や自らの仮説を証明するために、物置を改造した地下室で実験も行っていました。
今で言うホームスクールの先駆けです。
「うちの子も実はホームスクール中。でも私は元でも現でも教師じゃないのよね」というみなさんに!
学校教育という枠にとらわれていなかったからこそ、エジソンは自分で考える力(批判的思考)を自然と身につけました。
考えることについて、エジソンは上述の名言以外にもこんなことを言っています。
- あなたが普段行っている方法よりも、もっとよい方法がかならず存在している。それを見つけなさい。
- ほとんどすべての人は、もうこれ以上アイデアを生み出すのは不可能だというところまで行くと、そこでやる気をなくしてしまう。勝負はそこからだというのに。
名言をもとにエジソンの「失敗と成功」観をまとめると、以下のようになります。
他人の失敗
「他山の石」とか「反面教師」という言葉を聞いたことがあると思います。
他山の石は「他人の言行や誤り、失敗などが自分を磨く役に立つ」という意味で、反面教師は「自分にとって、あんなふうになってはいけないという教訓をあたえてくれる悪い見本のような人」のことです。
失敗から何かを学ぶのに、自分も他人もありません。
一般的な意味においての失敗は誰にだって起こりえます。(エジソンの目には成功に見えても、他人の目には失敗と映っていたはずです。)
常日頃から自分以外の人にも目を向け、自己啓発に努めましょう。
避けようのない失敗
エジソン流の成功法は万能ではありません。すべてを完璧にまねようとしても、それができない失敗もあります。
例えば個人の挑戦が及ばないところに原因がある失敗の場合です。
ある場所に特定の日時にいることが成功に至る最低条件だったにもかかわらず、利用する予定だった交通機関が遅滞・運休したため、いるべき場所に間に合っていけなかったと仮定します。
沖縄在住の人が子どものころからファンだった歌手のコンサートチケットを手に入れました。その歌手は以前は日本中をツアーで回っていましたが、今では年に数回、東京でコンサートを開くだけです。コンサート前日には東京入りしようと飛行機とホテルを予約。ところがその日のフライトが台風のため全便欠航になりました。コンサート当日のフライトはソールドアウト、キャンセル待ちも無駄だったとなれば、「コンサートに行く」というミッションは失敗したことになります。
こういった場合、問題を特定し、原因を分析することで、今後同じような失敗を回避する役には立ちますが、過去の失敗そのものは失敗のまま成功にはなりえません。
そんなときは「自分にはどうしようもなかった」と割り切って、その失敗から得た学びを今後の計画に生かしましょう。
「ああすればよかった」という後悔を引きずって、いつまでも挫折感に浸るのは百害あって一利なしです。
失敗を成功のもとにする方法
「失敗を成功のもとにする」には、エジソン流の成功法が効果的です。必要なのは以下の4点。
- 好奇心と探求心
- ポジティブ思考
- 批判的思考
- 根気と努力
これらをもって、挑戦し続けることが失敗を成功に変えるカギになります。
ただし失敗の中には避けられないものもあるので、その場合にはネガティブな感情を引きずらず、学びを得ることで、失敗を成功に変えます。
誰だってできることなら失敗などしたくありません。学びを得られるのであれば、他人の失敗すらも利用しましょう。
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