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宿題や自主学習って小学生に必要なの?親の役割は?

小学生の宿題・自主学習

小学生だったころ、どんな宿題が出ましたか?

自学(自主学習)ってありましたか?

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宿題・自主学習とは

宿題とは「予習・復習をかねて、教師が児童・生徒に課する家庭内での課題」です。

自主学習とは「自分のために、自ら進んで行う学習」です。

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小学生の宿題・自主学習

小学生の家庭内での学習事情は今と昔、日本とアメリカでどのように違っているのでしょうか。実例を挙げて紹介します。

半世紀前の日本の学校

小学生だった私が「宿題」と言われて思い出せるのは、

  • 国語:ノートに漢字練習、別冊の漢字ドリル、教科書の本読み
  • 算数:教科書の練習問題

くらいです。

低学年の頃は、家で祖父母に見守られながら、それなりにまじめにやっていましたが、高学年になると、計算問題など、学校の休み時間に、教科書に答えを書き込んで終わりでした。

やらなくなった原因(言い訳)の1つは「宿題はわからない子がやるもの」と思っていたからで、もう1つは家庭での学習が、宿題と自主学習との2本立てになったからです。

この自主学習は6年生の時に「中学生になる準備」という名目で始まり、「何の教科でもいいから、1日にA4サイズのノート1ページを埋める」というものでした。

自主学習を1日やるごとにシールが1枚もらえ、それを教室の壁に貼られたグラフに貼っていくので、クラス内の誰が毎日自主学習をやって、誰がやっていないのか一目瞭然です。

毎日1ページどころか2ページも3ページもやってくるクラスメートをよそに、私はせいぜい月に1-2回、イラストを描くか、時には計算式を数問、紙面いっぱいに書いて、ページを埋めてました。

(今はデジタルのイラストを作成しています。興味のある方は当ブログ内のイラスト素材をご覧ください。)

ある日、担任に呼び出され、「ちゃんと自主学習をしないと、将来バカになる」と説教されました。

えぇ、自主学習って自主的にやるものじゃなかったの?しかも何でもいいって言ったのに…。

現在のアメリカンスクール

私が勤務していた米軍基地内の学校には自主学習というものがなく、宿題については、内容ではなく、それに費やす最長の時間が学年ごとに設定されていました。一番短くて幼稚園の30分、その後学年が上がるごとに、宿題に割り当てられる時間が10分ずつ増えていくという具合です。

小学2年生を例にとると、担任は児童が50分以内に終えられる量の宿題を出します。(ただし、読書の宿題は別で、この50分には含まれません。)

1日で終わる宿題もあれば、何日かかかる宿題もあります。

終わった宿題は、子供たち自身があらかじめ教室に用意してある宿題トレーに入れることになっていました。

担任は提出された宿題すべてに目を通し、ほとんどの場合、コメントをつけて、数日のうちに子供たちに返さなければなりません。

宿題の提出は学期末の成績に影響するので、親は子供たちが宿題をするのをサポートし、積極的にかかわるよう期待されていました。

現在の日本の学校

ここで例に取り上げる学校(公立)では、宿題に費やす時間の設定はありませんが、家庭での学習時間について、学年x10分程度を推奨しています。

例えば、今日小学5年生に出された宿題は、B4サイズの用紙2枚分の漢字のプリントでした。復習用なので、おそらくほとんどの子供が50分以内に終わらせることができる量ではないでしょうか。

ただし、この学校では児童に1日にノート1ページ以上の自主学習も課しています。何をするかは自由なので、新聞のクロスワードを張り付けたりもOKですが、計算問題をした時は丸つけ、読書をしたときはその証明を、親がすることになっていました。

こういった宿題や自主学習ノートを提出しないと、この学校では忘れ物をしたことになるそうです。

宿題・自主学習の目的

小学校が児童に宿題や自主学習を課すのは、「予習・復習のため」であると同時に「家庭学習を習慣づけるため」「嫌なことでも努力してやり遂げる力を育てるため」です。

また、親のサポートを促すことで、塾や習い事で忙しい「子供たちと親とのコミュニケーションの場を設ける」ねらいもあります。

親の役割

「嫌だけどやらなければならないこと」をするのは、大人にとっても苦痛です。うちに帰ってもなかなか宿題や自主学習を始めない子供に向かって、「今日の宿題・自学は?終わったの?」などと言ったら、子供はますます「宿題(自主学習)=嫌なもの」と捉えてしまいます。

まずは今日学校でどんなことを習ったのか聞いてみることから始めてみてください。話をしているうちに、「そうだ、宿題があったんだ」と子供のほうから言い出す可能性が高いです。

宿題を始めようにも、たくさんありすぎて何から手を付けていいかわからないようなら、「いろいろあって大変そうだね。どれからするのがいいんだろうね?」と、それとなくお子さんを誘導してあげるといいでしょう。

また、間違った問題をやり直させるのが難しい時には、丸つけの方法を変えてみるのがお勧めです。一生懸命やった問題に、バツ印がついているのを見てうれしい子供はいません。

アメリカの学校のように、正答にはチェックマーク(✓)を、誤答には〇をつけることで、間違いを正すのを子供が嫌がらなくなれば儲けものです。

親として言ってはいけないこと

先ほど「もう宿題・自学は終わったの?」と聞くべきではないと書きましたが、ほかにも「宿題(自学)が終わったらゲームしていいよ」といった、子供の好きなこと・ものを、宿題の見返りに与えるような発言はよくありません。

そう言った発言は、子供たちの「宿題(自学)=嫌なこと」という認識を強めるばかりだからです。

宿題・自主学習で育てる力

ここからは30年近く日米の教育現場を見てきた私の、宿題・自主学習の中身についての個人的見解です。

基本的な学力をつけることはもちろん大切ですが、今の子供たちにはそれ以上に21世紀型スキル(能力)を身につけてもらいたいと思っています。(21世紀型スキルについての詳細は「21世型能力スキル(能力)のフレームワークー学校教育の現場で育成が望まれる能力について」をご覧ください。)

漢字を例にとってみましょう。今では手書きの機会もめっきり減り、コンピューターに読み仮名を入力すれば、自動的に選択肢が出てくるので、あとはその中から正しいものを選ぶだけです。だとすれば、漢字を書いて覚える宿題にどれだけ意味があるのでしょうか。

これまで暗記させられた多くのことが、コンピューターの検索スキルさえあれば事足りるのです。

もちろん、だからといって、宿題で出た漢字のプリントをやらなくていいというわけではありません。

やみくもに「やりなさい!」と言うのではなく、やることでどんな力が身につくか、またそれだけではどんな力が身につかないか、(親である)自分は宿題や自主学習というものをどう捉えているかなど、1度じっくりとお子さんと話し合ってみてください。

自分が子どもだったときのことを思い出してみてください。「なんで、やらなくちゃいけないの?」ときくと、親に「なんでも(どうしても)」「それが子供の仕事だから」「いいから黙ってやりなさい」と返され、結局納得がいかないまま、いつまでも不満を抱えていた覚えはありませんか。

そんなふうに育った大人は、「仕事だから嫌でもやるしかない」と、自分にも他人にも言い訳をしがちなので、仕事の上でも、個人としても成長が見込めません。自分の子どもにそんな大人になってほしいですか。

今後、宿題や自主学習の中身が、「何かを暗記するためのドリル的な課題」から「自分なりの『なんで?どうして?』を見つけたり、それについて調べたり考えたりするような課題』に変わる日を、それによって親も成長できることを、私は心待ちにしています。

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