みなさんは「断捨離」をテーマにしたテレビ番組「ウチ、”断捨離”しました!」を見たことがありますか?
ごみ屋敷のような家に住んでいる人たちが、ダンシャラーの教えに従って片づけを進めていく中で、ものを捨てられない、あるいはため込んでしまう大本の原因(心の問題)に気付き、最後は気持ちもすっきりとミニマリスト系の人に変わっていくという番組です。
【ダンシャラー】(「ヨガ→インド」という単純な発想から外来語のように表記)
断捨離のやり方に精通し、伝授する人。断捨離の伝道者・グールー
『まなまなfamily語録』より
今では片付け論として有名な「断捨離」ですが、もとになっているのは、断行(不要なものを断つ)・捨行(不要なものを捨てる)・離行(物への執着から離れる)というヨガの考え方です。そう考えると、あの番組が哲学的というか、思想っぽいのもうなずけます。
断捨離の効果
不要なものを断ち、捨て去り、執着をなくす「断捨離」ですが、その行為にはいくつかのメリットがあります。
- 忙しい毎日の中、自分にとって本当に必要なものは何か、立ち止まって考える時間ができる
- 不要なものに占領されていたスペースをもっと大切なことに有効利用できる
- 不用品が売れればお金が入り、必要なもの以外買わなければ、お金の節約になる
- たとえ売れなくても、欲しい人、必要としている人にタダであげれば、善行を積んだことで、いい気分になれる
- ものが減ったおかげで、どこに何があるかがわかり、探し物に時間を取られずに済む
- 見た目がきれいなることで、すっきりとした気持ちになれる
まさに一石六鳥ともいえる行為です。
加えて、テレビ番組では「自分の中にある根本的な問題に気付き、解決に向けて働きかけることで、周囲との関係が改善される」という効果も紹介していました。しかし、果たしてものを片付けるだけで本当に人間関係まで改善できるのでしょうか。
精神的な断捨離
テレビ番組でやっているような物質的な断捨離にも、気の持ちようを変えたり、気分を明るくする効果はあるんでしょうが、今回私がさらにお勧めしたいのは、精神的な断捨離です。
「精神的な断捨離」とは、心や頭の中にたまった滓(おり)、あなたを悩ます過去の出来事とお別れすることで、例えばつらい出来事、特定の誰かに対する恨み・つらみや執着心といったものを捨て去り、これ以上増やさないようにすることです。
でも、そんな目に見えないものをどうやって断捨離すればいいの?
精神的な断捨離の手順
目に見えないから捨てられないのであれば、目に見えるようにするだけです。
- 筆記具(できればマジックか筆ペン)とトイレットペーパーを用意します。
- 先ほど「つらい出来事、特定の誰かに対する恨み・つらみや執着心」と書きましたが、それを読んだとき、真っ先に浮かんだことは何ですか?その思いを、思いつく限りトイレットペーパーに書き出します。
- 文章にしなくても、絵でも構いません。
- ぐじゃぐじゃになったり、真っ黒になっても構いません。それがあなたの中にあったものです。
- もし、その思いに関連したもの(写真・手紙・プレゼントなど)があれば、それらを回収不能な状態にします。
- 例えば紙類は、小さく切るなりちぎるなりした後、鍋に水を入れて煮込むのがベストです。ぐつぐつ言っているのはあなたの気持ちです。お湯と気持ちが覚めたら、ぎゅうぎゅうに絞ってごみ箱に捨てましょう。
- 室内で燃やして灰にするのは、火事の危険があるのでやめましょう。
- 売れるものは売って、儲けを手に入れましょう。ただし、売れるまでに時間がかかると気が変わってしまうので要注意です。
- デジタル関係のもの(メールや写真)も忘れずに完全に削除します。
- 最後に、トイレットペーパーをトイレに流します。どうせク〇みたいなものですから。
精神的な断捨離の注意点
- 精神的な断捨離をするときは、1度に1つだけにしておきましょう。ものを動かす以上に、心を動かすのは疲れます。
- 始めるのは午前中、遅くとも午後の明るいうちにしましょう。
- どうしてもできない時や、いつやればいいのかタイミングがわからない時は、気心の知れた誰かを誘ってイベントにしてしまいましょう。キャンプや川辺でバーベキューをするついでなら、紙類も燃やして灰にできます。
- 今後はつらいこと、悲しいこと、腹の立つことがあるたびに、心の中にため込まず、すぐに精神的な断捨離をしましょう。
最後に
心や頭の中にたまった滓(おり)、つまりあなたを悩ます過去の出来事がなくなれば、気持ちが軽くなるだけでなく、自分に自信が持てるようになり、おのずと人間関係も改善されていきます。
ちなみに、私は心の中や頭の中をすっきり整理整頓するのは得意なんですが、家の中の片付けとなるとダンシャラーの悲鳴が聞こえてきそうなほど苦手です。
実際、2か月ほど前に引っ越しするまでは、物質的な断捨離とは無縁の生活を送っていました。そのせいで出た不用品の多さと言ったら、燃えるごみ用とプラスチック用の大袋(60Lサイズ)それぞれ10-15袋分、不燃ごみは5袋分、粗大ごみに関しては市と専門業者に4万円以上払う羽目になりました。一番笑えたのは、燃えるごみ用の大袋が、家に80袋ほど買いだめしてあったこと。家を引き払った日にお隣の人に残った分を全部あげました。(この引っ越しではほかにもたくさんのことを学びました。興味のある方は「引っ越しの予定がある方必見!私の失敗をあなたの今後に生かしてください」をご覧ください。)