「流れ星に願い事をすると叶う」という言い伝えがあります。
けれど、流れ星はいつでもどこでもすぐに見つかるというわけではありません。まして、見つけたと思ったら、消えてしまうまでの短い間に、願い事をするのは至難の業です。
そこで今回は、
- 流れ星を見つけやすい時期(いつ)
- おすすめの星空スポット(どこで)と星空体験アクティビティ
- 流れ星に願いをかける方法(どうやって)
を紹介します。
流れ星を見つけやすい時期
流れ星の正体は、星と呼べるほど大きなものではなく、宇宙に漂っている直径数センチ以下のちりです。
そのちりが地球の大気とぶつかった際、高温になって光って見える現象を流れ星(流星)と呼びます。
流れ星の数
実は、流れ星は1日に平均して数十億個も地球に降り注いでいるそうです。
ただ、日中は太陽光に邪魔されて見えません。陽が落ちた後も、厚い雲がかかっていたり、月の光が強すぎたり、周囲にある人工の明かりのせいで、肉眼では流れ星の弱い光をとらえることができません。
実際、どれだけたくさんの流れ星があっても、定期的に天体観測をしている人の話では、「三大流星群の時期以外は、一晩で多くても数個程度」しか見られないようです。
流れ星は、天気のいい、新月ごろの日没後から日没前にかけてが見つけやすい!
流星群
流星群というのは、毎年同じ時期にたくさんの流れ星が発生する現象のことを指します。
中でも、1時間当たり最大で100個前後もの流れ星が現れるしぶんぎ座流星群・ペルセウス座流星群・ふたご座流星群は、三大流星群と呼ばれています。
流星群 | 発言時期 (最高条件日) | 個数/1時間 |
しぶんぎ座流星群 | 12月28日~1月12日 (1月4日ごろ) | 30 (80) |
ペルセウス座流星群 | 7月17日~8月24日 (8月13日頃) | 40 (100) |
ふたご座流星群 | 12月4日~12月20日 (12月14日頃) | 60 (150) |
流れ星を見つけるのにベストな時期は、三大流星群が現れる7~8月と12~1月!
三大流星群の次に流れ星に出会える確率が高いのは、4月こと座流星群(4月14日~4月30日)、オリオン座流星群(10月2日~11月7日)のころですが、いずれも1時間に見られる流れ星の数は三大流星群のときの半分以下に減ります。
おすすめの星空スポット
流れ星に限らず、星空や天体の観測に向いているのは、見渡す限り空しか見えない、周囲に視界を遮る障害物や人口の明かりがほとんどない場所です。
日本三選星名所
長野県南牧村(野辺山高原)
標高1350mに位置することから、周囲に人工の明かりがなく、夏でも冷涼な気候で空気が澄んでいる南牧村は、日本三選星名所に選ばれている人気の星空スポットです。
おすすめスポット:
- 野辺山宇宙電波観測所
- ナイトツアーを始め、天体に関するイベントを定期的に開催
*周辺の宿泊施設の中には星ソムリエの資格を持つ星空案内人たちがいて、それぞれに趣向を凝らした宿泊者向け星空観賞会や撮影会を行っています。
沖縄県石垣市
沖縄の石垣島にある石垣市も、星空の美しさから日本三選星名所の1つに数えられています。
本土では見られない南十字星のほか、88種類ある星座のうち84種類もの星座が見られる稀有な星空スポットです。
おすすめスポット:
- 川平湾
- 街の明かりが届かないビーチ。上空と海面の両方で星空を楽しめるロマンチックさがカップルに人気
- バンナ公園
- 海を一望できるバンナ公園の中でも「エメラルドの海を見る展望台」からの星空がいち推し
- 石垣島天文台
- 土日祝日限定で、光学・赤外線反射式望遠鏡(むりかぶし望遠鏡)を使った「天体観望会」を開催
岡山県美星町
美星町は、読んで字のごとく、美しい星空に出会える町で、光害の影響のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える国際ダークスカイ協会(IDA)から「星空保護区」に認定されています。
1988年には旧環境庁から「星空の街」に認定され、1989年には「光害防止条例」を施行・実施し、地域一丸となって、その名に恥じない美しい星空を守っています。
おすすめスポット:
- 井原市星空公園
- 標高514mの高台にあり、頭上の星と足元の蓄光石が暗闇の中に光る幻想的な世界
- 美星天文台
- 国内最大規模の天文台。口径101cmの望遠鏡ほか、対空双眼鏡や望遠鏡も設置。双眼鏡の無料貸し出しもあり
その他の星空おすすめスポット
環境省は星空公団と共同で、
- 光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づく
- 環境保全の重要性について関心を深める
- 良好な大気環境や美しい星空を観光や教育などの地域資源としても活用する
ことを目的に、2018年度から夏と冬の年2回、肉眼による星空観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を推進しています。
参考:環境省「星空を見よう」
116の団体と65名の個人が参加した2023年冬の調査では、25の都道府県内にある106の地点で「一般的に天の川が見えやすいと考えられる夜空の明るさ」が確認されています。(リストはこちら)
長野県阿智村
県南部に位置する阿智村は、2006年に環境省が発表した「星が最も輝いて見える場所」の1位に選ばれた星空の村です。
おすすめスポット:
- ヘブンスそのはら
- ロープウェイでの空中散歩が楽しめる「天空の楽園ナイトツアー」を開催
- 浪合パーク
- 毎晩開催される「星空鑑賞会」には「星空デッキ」や「星空薪火」などの限定有料オプションあり
鳥取県
鳥取県では、県内全域で天の川を見ることができます。
2018年には全国の自治体に先駆けて「星空保全条例」を策定し、美しい星空を保全する活動に取り組んでおり、鳥取の星空を全国のみなさんに楽しんでもらいたいという願いを込めて星取県と名乗っているほどです。
おすすめスポット:
- 鳥取砂丘
- 「日本一の星空を、日本一の砂場で楽しもう!鳥取砂丘星空観測ツアー」開催
- 国立公園大山
- 大山町のみならず、大山を背景に星空観賞を楽しむツアーが盛りだくさん
*星取県のその他のおすすめスポットや「星空マップ」のダウンロードはこちらから。
岩手県ひろのまきば天文台
岩手県九戸郡洋野町に位置するひろのまきば天文台は、環境省による2007年冬期の全国星空継続観察で、「日本一星空が見やすい場所」に選ばれました。
施設内には反射式望遠鏡や太陽望遠鏡があり、昼夜を問わず観測が可能です。
流れ星を見つけやすいのは、人口の明かりが届かない、空気の澄んだ星空スポット!
星空関連のイベント・アクティビティ(星空体験ツアー)
ナイトウォーク・フォトツアー・星空ピクニック・星空観賞会・星フェス。
さまざまな名前のさまざまなアクティビティ・イベントが、名所に限らず、全国各地で開催されています。
基本的には満天の星空を楽しむのがメインのアクティビティ・イベントなので、流れ星を見ようと思ったら、日本三大流星群の時期に開催されるものがおすすめです。
- アクティビティジャパン:全国の星空体験プランをエリアごと・日程ごとに検索できます。
\昼間のアクティビティと組み合わせたプランや当日申込OKのプランも!/
- 遊び・体験予約ならじゃらん:星空浴ツアーから星空フォトツアーまで、エリアごと・日程ごとに検索できます。
\一緒に旅行や宿泊の予約もできるじゃらんNet/
- asoview!遊び予約・レジャーチケット購入サイト :沖縄・北海道・東京・千葉・鳥取・岡山・長野・福岡の星空体験に特化したツアーを紹介しています。
- Weekle(ウィークル):沖縄・北海道・離島の星空ナイトツアーを紹介しています。
流れ星に願いをかける方法
伝承の歴史と由来
「流れ星に願いごとをすると、願いが叶う」という伝承は、欧米やアジアの国々で語り継がれています。
ただ、その由来や願い事の中身、願いのかけ方は様々です。
天からの光・星
2世紀ごろのギリシャでは、天文学者の仮説に基づいて、流れ星は「神々が天を裂き、落としたもの」なので、その星を見て願い事をすれば、地上を見下ろしている神々に聞き届けられ、叶えられる可能性が高いと信じられていました。
同様に、キリスト教を信仰する人々は、流れ星を「神様が地上の様子を確かめようと天の門を開いたときに現れる光」と捉え、その瞬間に願い事をすれば、神様に直接願い事が届くと考えていました。
魂の救済
キリスト教の中でもカトリック教派では「流れ星に祈りをささげると、天国に行けない魂を救うことができる」と信じられています。
そのことから、流れ星が消えるまでに「Rest in peace」と3回唱えるという風習が生まれたと言われています。
旅する魂
モンゴル、アイルランド、イギリス諸島、ニュージーランドなどでは、流れ星を「亡くなった魂があの世へ旅立つことの現れ」と見なしています。
その逆で、流れ星を「地球に戻って生まれ変わる新しい魂」とする信仰もあります。
天国を照らす明かりの灯心・黄金を抱く龍
ドイツでは、流れ星を「天使が天国を照らす明かりの灯心を引き抜いたときに現れる光」と考えていました。
また、流れ星は「黄金を抱く龍」であり、流れ星の落ちた先には金や銀があると考えられた時代もありました。
サン・ロレンツォの涙
イタリアには、「聖ロレンツォの夜(8月10日の夜)」に、流れ星(サン・ロレンツォの涙)に願い事をする風習があります。
涙の数だけ願い事が叶うと言われ、たくさんの恋人たちが永遠の愛を誓うそうです。
悪魔に放たれた小石・火のついた矢
イスラム文化圏には、流れ星は「魂を天国から地獄へ連れ去ろうとする悪魔に対して、天使が放った小石・火のついた矢」だとする伝説があります。
願い事をする際のルール
日本では一般的に、流れ星に願いをかなえてもらいたければ、光が消える前に願い事を3回続けて唱えなければならないと言われています。
けれど、願いのかけ方は国や文化、時代によって異なり、日本のやり方が唯一絶対の正しいやり方というわけではありません。
指をささない
一部の文化や地域では、星を神とあがめているため、流れ星であろうと、指さすのは失礼だと信じられています。
もし神を指させば、その人やその家族に不運が降りかかる可能性があり、最悪の場合、死を意味することさえあると言われているので、流れ星を見つけても指はささないほうがいいでしょう。
3回唱える?
アメリカでは、流れ星が消えてしまうまでに「Money」と3回唱えることができれば、お金の心配がなくなると言われています。
おそらく「3」という数字は、カトリック教派の「Rest in peace」と3回唱えるという風習の影響を受けたものでしょう。
けれど、3回唱えるのは願い事が金銭関係のときだけで、それ以外のときは何も唱えないのが普通です。
文化によっては、3回どころか、願い事は心に思い浮かべるだけでいいとされています。
見える方向
流れ星が願い事をする人の右側に現れれば、それだけで幸運がもたらされるという言い伝えのある文化があります。
もし、流れ星が左側に現れた場合は、光が消える前に素早く向きを変えればいいだけです。
流れ星に願いをかけるベストな方法は、願い事を思い浮かべながら流れ星を探し、自分の右側に現れたときはそのまま、左側に現れたとおきは光が消える前に素早く向きを変えること!
ずるい方法:
感動は少ないでしょうし、効果のほどは保証できませんが、録画された流れ星になら、簡単に、何度でも願いをかけられます。
まとめ
流れ星に願いをかけるときに押さえておきたいポイントは4つ。
- 新月ごろの日没後から日没前の時間帯
- 三大流星群が現れる7~8月と12~1月
- 人口の明かりが届かない、空気の澄んだ星空スポット
- 願い事を思い浮かべながら流れ星を探し、自分の右側に現れた場合はそのまま、左側に現れた場合は光が消える前に素早く向きを変えること
個人的には、流れ星に願いをかけて本当に願い事が叶うかどうかは、願う人の気持ち次第だと思います。
というのも、願う気持ちが強ければ強いほど、無意識のうち願いが叶うように必要な行動をとっている人が多いからです。
信じる・信じないを別にしても、流れ星を探して星空を眺める行為には、
- 神秘的でロマンチックな気分に浸れる
- 心が穏やかになる
- 自然科学への興味や関心が深まる
といった効果があります。
流れ星を見つけやすい時期はちょうど夏休みや冬休みの期間で、大人も子どももお休みがとりやすい時期のはず。ぜひ家族で、友だちや恋人と一緒に、あるいは疲れた心を癒しにひとりででも、星空を眺める旅に出かけてみませんか。
私の地元島根も、田舎であるがゆえに流れ星を見つけやすい場所がそこかしこにあります。
流れ星に合わせて、ぜひ島根にも遊びに来てください。